GMO-VP/GMO-PG 村松氏、次の10年でアジアから100兆円規模のフィンテック企業を

2022年12月6日8:00

村松竜氏は、今後成長が見込まれる有望なFinTech(フィンテック)企業に投資を行うGMOインターネットグループのベンチャーキャピタルであるGMO VenturePartners 取締役兼ファウンディングパートナーでもあり、国内屈指の決済処理事業者であるGMOペイメントゲートウェイの副社長でもある。同氏は、日本、アジア、米国などのフィンテックの動向を20年以上追い続けるとともに、国内で自社の決済代行事業を成長させてきた。「Singapore Fintech Festival2022」の会場で同氏に、現在のフィンテックシーンと今後の注目点について話を聞いた。

GMO VenturePartners 取締役兼ファウンディングパートナー/GMOペイメントゲートウェイ 副社長 村松竜氏。Singapore Fintech Festiva2022の会場にて

コロナでECは急拡大後スローダウン
インド、東南アジア市場の成長に継続して期待

2020年に突如起こった新型コロナウィルスのパンデミックにより、フィンテックが市民権を得て、各プレイヤーがより存在感を強めた。さまざまなサービスがオンライン化し、ECが急成長したことで、それを支える決済のテクノロジー企業の業績が伸長した。その反動もあって、世界各国でコロナの影響が収まった2021年秋頃から、米国、東南アジアやインド企業の成長もスローダウンしている。

村松氏は「コロナ期間中は過剰流動性が起きましたので、フィンテック各社のオペレーションも2~3倍になりましたが、その影響が収まると流入している資金源がコロナ前の2018年レベルまで落ちています。過去10年で見ると伸びてはいますが、フィンテック各社の資金調達がスローダウンしました」と説明する。投資家はもちろん、出資を受ける企業もGMV(流通取引総額)やGTV(総取引額)を伸ばすことより利益を優先する傾向を強めている。村松氏は、この流れについて、「過剰流動性による行き過ぎた調達と過剰な取扱金額至上主義が収まり、健全な方向に向かっています」と話す。

近年のベンチャー投資の傾向として、米国ではサンフランシスコへの一極集中から、ニューヨーク、オースティン、フロリダなどへの分散化がはじまっている。また、インドや東南アジアは2~3年の間にフィンテックシーンが盛り上がってきた。アジアを見ると、人口規模13億人を有するインド、6億人の東南アジアの市場共にまだまだ伸びが期待できる。

インドのフィンテックシーンに積極投資
融資ビジネスは約6割以上の成長

中でもインドは今後のフィンテックや脱炭素テック(GX/ESGテック)市場をリードする可能性があり、GMO VenturePartners(GMO-VP)とGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)で120億円の投融資を行った。インドの国内総生産(GDP)は300兆円を超え、毎年7%ほど成長している。人口が最大の燃料であるが、特に金利ビジネスは成長の余地が大きく、フィンテックユニコーンも20社ほど誕生している。GMO-PGでは、インド法人であるGMO-Z.COM PAYMENT GATEWAY INDIA PRIVATE LIMITEDを設立し、SATYA MicroCapital Ltd.に出資するなど、投資や融資(レンディング)を積極的に展開している。

インドや東南アジアでは融資ビジネスが期待通りに成長している。現在、GMO-PGの融資ビジネスはアジアで約6割以上の成長があるそうだ。

2022年9月期の決算発表では海外はインドと東南アジアをはじめ、3年後には今の3倍以上のパイプラインを積み上げていきたいとした
アジアMSBが通期売上約6割増、営業利益2.5倍に。今期はUS市場、決済大手獲得も強化するという

日本と異なる海外の決済代行の収益モデル
BNPLやレンディングで収益化

国内と海外では金融ビジネスの収益モデルが異なるため、それに合わせたビジネスモデルが求められる。例えば、日本の決済代行事業では大手企業の手数料競争が続いているが、まだ収益は確保できる状況だ。一方、海外では、GMO-VP・GMO-PGがタイの2C2P、インドのRazorpay、シンガポールのCoda Paymentsなどに投資してきたが、「東南アジアやインドは日本に比べると非常に低いです」と現状を述べる。また、日本では金利がゼロに近い状態だが、東南アジアは30%程あるため、まず決済でボリュームを高め、その後、BNPL(後払い)やレンディング事業に成功したところが黒字になっているとした。そのため、GMO-PGでは、日本で調達した資金を活用して、20~30%の金利ビジネスに関して十数%で貸し出し、後方支援を行うモデルで成功している。村松氏は「この金利ビジネスが証明されました」と成果を述べる。

BNPLに関しては、日本ではGMO-PGのグループ会社であるGMOペイメントサービス(GMO-PS)が展開する「GMO後払い」など、決済機能としての“後払い”が成長しているが、海外のBNPLは金利をベースとしたものが多く、金利収益で伸びている。GMO-PG・GMO-PSでは三井住友カードと連携して、新たなBNPLを提供する方針であると発表済みだ。村松氏は「我々は日本独自の決済とクレジット機能を融合したBNPLを創造しようとしており、ゼロ金利大国の日本でクレジット性の高いBNPLを実装していくチャレンジをしています」と話す。

投資、融資、決済を手掛ける希少な存在に
アジアからNEXT GAFAの誕生に期待

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