2023年5月30日10:36
ビザ・ワールドワイドは、2023年5月25日に記者説明会を開催し、国内イシュア(カード発行会社)のVisaのタッチ決済対応カードが1億枚を突破したと発表した。カードへの搭載に加え、利用店舗の拡大、公共交通間でのプロジェクトなども進んでいるそうだ。
海外会員の交通利用は1年間で9.6倍に
国別では韓国がトップ
Visaのタッチ決済の公共交通機関のアップデートについては、ビザ・ワールドワイド・ジャパン コアプラットフォームソリューションズ ディレクター 今田 和成氏が紹介した。
2023年4月現在、Visaのタッチ決済の交通利用数は42プロジェクト、26都道府県となる。新たな取り組みとして、全駅全車両対応として、鹿児島市交通局、熊本市交通局、福岡市交通局が対応した。これは、利用者からのフィードバックをもとに対応駅や車両を拡張したものだ。また、首都圏で初めて神奈川県の江ノ島電鉄で対応を開始。7月15日にはタッチ決済対応の限定キャンペーンも実施した。さらに、沖縄県の西表島交通が西表島島内で運行する路線バスでも琉球銀行の沖縄をキャッシュレスの先進地域にする「キャッシュレスアイランド計画」の一環で対応を行っている。
鹿児島市交通局では、SuicaやSUGOCAといった「10カード」を導入していないが、2022年11月からタッチ決済の実証実験を開始。2023年3月に全車両に対応し、他の国際ブランドも利用可能となった。導入当初から利用は比較的多かったそうだが、2023年3月末時点で開始時の約4倍と件数が伸びている。Visaでは4月からの市電の全車両対応によりさらなる利用拡大を期待している。加えて、鹿児島市では市バスの対応に向けた動きもあるため、同地域のタッチ決済の伸びが見込まれるそうだ。
海外では、650の公共交通でタッチ決済が利用されており、約800プロジェクトが進行中だ。Visaの対面取引の約59%がタッチ決済だが、公共交通での採用が進む国で特に伸びている。
例えば、英国・ロンドンでのタッチ決済乗車券利用者の一般対比の決済件数は2倍、決済金額は+70%となった。米国・ニューヨークは駅中・駅周辺でのカード利用件数は+15%となった。他にもタッチ決済乗車券利用者の一般対比決済金額は、イタリア・ミラノで+18%、ルーマニア・ブカレストで+21%となっている。
日本国内での調査として、インバウンド訪問者の88%がタッチ決済の導入で公共交通機関の利便性が高まったと回答した。また、日本の公共交通機関でタッチ決済を利用した会員の月間平均利用金額は、それ以外の会員と比べて、インバウンドで54%、国内利用者で7%と伸び率が高くなったそうだ。
導入事業者の拡大とともに、公共交通でタッチ決済をする海外会員は、2022年3月から1年間で9.6倍と伸びた。また、90以上の国と地域の海外発行カードが利用されており、中でも韓国、タイ、米国、台湾、香港が多いそうだ。韓国からの観光客が多く訪れる福岡の福岡市交通局での採用などもあり、韓国人の利用者がトップとなった。
国内は4年弱で10倍のカードに搭載
世界のVisa対面取引の59%がタッチ決済
2023年は対応カード発行から10年目の節目となったが、「Visaのタッチ決済は大きなマイルストーンを迎えることができた」とビザ・ワールドワイド・ジャパン コンシューマーソリューションズ部長 寺尾林人氏は成果を述べる。
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