ダイエー、ウォークスルー店舗「CATCH&GO」でレジを通さず最短10秒で決済完了 AIでどの商品を手に取ったか自動認識、入店して商品を手に取りそのまま退店

2024年3月28日9:00

ダイエーはNTTデータとともに、入店から退店までレジを通さずに商品の購入が可能なウォークスルー店舗「CATCH&GO(キャッチ・アンド・ゴー)」を、2023年10月27日からイオンフードスタイル横浜西口店内(神奈川県横浜市)にオープンしている。スーパーマーケット(SM)初となる路面店でのウォークスルー店舗のオープン後の状況について、ダイエーに話を聞いた。

ダイエー リテールビジネス改革本部 ICT企画部 部長 山内洋氏

NTTデータオフィス内店舗での成果を受けオープン
繰り返し来店するリピーターが目立つ

「CATCH&GO」は、最短10秒で約400種類の商品から必要なものが購入可能だ。来店客は混雑する通勤時間帯などでもレジでの決済待ちの必要がなく、スムーズに商品を購入できる。

利用者が店舗に入店すると、店舗の上部に設置したカメラと商品棚の重量センサーによって、それぞれの顧客がどの商品を手に取ったかを自動認識する。来店客は専用アプリをインストールしたスマートフォンを入店ゲートにかざし、陳列されている商品の中から欲しい商品を手に取って退店するだけで自動的にクレジットカード決済またはQRコード決済が可能だ。

「CATCH&GO」の専用アプリ

ダイエーとNTTデータは、2021年から共同でNTTデータ社内(東京都江東区)にウォークスルー店舗を運営しており、現在は利用者の9割がリピーターだという。ダイエー リテールビジネス改革本部 ICT企画部 部長 山内洋氏は「1年前に比べると日販でコンスタントに1.5倍の売上が上がっています」と成果を述べる。ダイエーではNTTデータで実験をしている最中に新店計画が持ち上がり、商圏などの状態や人流を踏まえ、横浜西口店内に「CATCH&GO」をオープンすることとなった。

オープン後の状況について山内氏は「客数という意味では目標としている数字に届いていませんが、定着しているお客様が一定数いることは間違いありません」と説明する。利用者の購買動向をみると、朝の決まった時間に繰り返し飲料が購入されているケースなどが目立つ。

ダイエーではチャットから利用者の声を拾っているが、「オープン時の感触通りで『新しい買い物体験で面白い』『びっくり』『便利だね』という声が聞こえてきます」と山内氏は話す。利用者の入店から退店までのスピードも平均30秒ほどで、最短10秒の人もいる。SM同様の価格で展開している(ただし、セール売価は適用対象外)ため、平均単価はコンビニエンスストアよりも低い。

店内の様子

 

AIの認識率は高まる
1人前の商品を中心に設置

AIによる検知精度は高まっており、NTTデータでは“99.9%以上の認識率”としている。万一認識できなかった場合には顧客からの問い合わせを受けて対応する体制を整えている。

利用者はアプリのQRコードを入店ゲートにかざして入店するが、友達や家族連れの場合は、まずは1回アプリをかざし、1人入店するごとにアプリをかざし直せば、一台のスマートフォンで複数人が入店できる。山内氏は「複数人で入店する仕組みを丁寧に案内する必要があることがわかりました」と課題を口にする。

入店ゲート

なお、オープン後の変更点として、当初はファミリー向けの大容量の商品も置いていたが、1人前の商品に変更するなど見直しをかけている。また、ゲートの開閉スピードを調整することで、子供などがより安心・安全に入店できるようにした。

コード決済の登録が約4割
1日1,000人以上の来店を目指す

「CATCH&GO」アプリでは、会員情報を任意で登録してもらっている。カメラの映像を分析すると、「30代、40代の利用者が多く、男性比率がやや高いためSMの購買層とは異なります」と山内氏は話す。決済手段の登録は、クレジットカードが6割、コード決済が4割となる。NTTデータ内の店舗はクレジットカードのみの登録だったが、「普段使いとしてコード決済を選ぶ層が増えてきていることがわかりました」と山内氏は述べる。なお、アプリにはメッセージ通知機能があり、店内の商品であれば値引きなどのプロモーションが技術的には可能だ(NTTデータ社内の店舗では実施済)。

同店舗はSMとの併設店のため、SMの売り場などから適宜商品を補充できる。単独店舗とは異なり、SM併設にすることで、人や商品の在庫を流用できることから効率的な運営が可能となっている。

山内氏は「1日1,000人以上の来店を目標にしています。一定の客数を確保するのが最重要課題です」と話す。最初にアプリのダウンロード、支払い手段の登録を行う必要があるため、一定のハードルがあるのは確かだが、今後、路面店として拡大していくためには客数の目標を達成させることが重要となる。「CATCH&GO」の来店者はSMとは顧客層が異なるため、同店舗周辺の潜在顧客にアプローチしていく必要があるとした。山内氏は「まずは路面店でのモデルを確立するのが第一歩です」とした上で、今後はSM併設型の店舗形態に加え、学校や病院などでの展開も模索していきたいとした。

 

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