2011年5月12日7:50
非接触IC決済事業者に聞く~名古屋鉄道「manaca」(2)
電子マネーの利用でポイントが貯まる
「名鉄たまルン」ポイントで囲い込みを図る
名古屋鉄道では、独自のポイントサービスとして「名鉄たまルン」ポイントのサービスも展開している。記名式manacaおよびmanaca定期券の利用者は、「名鉄たまルン」に入会することで、加盟店での電子マネー利用のたびに「名鉄たまルン」ポイントが付与される。貯まったポイントは、チャージ券と交換して、manacaにチャージすることで、交通乗車券や電子マネーとして利用可能だ。また、2011年4月1日からは、「名鉄たまルン」ポイントとANAのマイルの相互交換サービスをスタートした。
現在、「名鉄たまルン」の会員数は約11万人。記名式のmanaca利用者の約30%がポイントサービスに申し込んでいる。「名鉄たまルン」は1,000ポイント貯めないと、manacaにチャージすることはできないが、サービスイン後1カ月が経ったところですでに還元を行う人も出てきているそうだ。これは同社の予想を上回る結果となっている。
「名鉄たまルン」会員に対しては同社から、2週間に1度、メールマガジンを配信しているが、「メルマガもあまり配信しすぎるとお客様の気分を害してしまうので、加盟店のサービスのスタートやキャンペーンなど、節目にお送りするように心がけています」と名古屋鉄道 経営企画部 チーフ 三好 学氏は説明する。
なお、ポイントの原資については導入した加盟店が負担している。同社ではメーカーや加盟店などとタイアップしてポイントアップキャンペーンを積極的に展開。例えば、ダイドーとは、「名鉄たまルン」会員が自動販売機でmanacaを利用して決済を行うと100円毎に10ポイントがプレゼントされるキャンペーンを実施したが、同期間の利用率は非常に高い結果となった。
「名鉄たまルン」は1年で20万人の会員数を目指す
電子マネー加盟店は3,000店舗が目標
同社ではmanaca電子マネーのサービス開始1年間で20万人の「名鉄たまルン」会員獲得を目標としている。まだ、サービス開始2カ月余りだが、十分にその手ごたえをつかんでいるそうだ。今後は、電子マネーの決済データを活用し、親和性の高い店舗について案内を行うなど、CRM活動を実施する方針だ。また、すでに認証機能を活用した不動産の鍵管理を導入したが、モバイルFeliCaを利用したサービスや交通乗車券を不動産の鍵管理などに使用するサービスも検討していきたいとしている。
矢野氏は最後に、「大切なのは加盟店に来店するお客様が増えることで、店舗の売上に貢献することです。ただ電子マネーを導入して終わりでは意味がなく、お客様をサポートしていくことはわれわれの責務であると考えています。まずは1年以内に3,000加盟店の開拓を目指していきたいです」と今後の意気込みを語った。