2025年3月11日8:00
欧州のスマートカード(ICカード)と環境問題の第5回目(最終回)は、ヨーロッパにおける期限切れの使用済みICカードの“回収”(Collection)と“リサイクル”(Recycling)プログラムについて紹介してみたい。
Index
(1)Smart Payment Association (SPA、スマートペイメント協会)
(2)スマートカードとモジュールの出荷状況について
(3)エコフレンドリーカードとは
(4)SPAのエコフレンドリーペイメントカード発行状況
(5)スマートカードとリサイクル
EU(ヨーロツパ連合)では、2015年に“プラスチック廃棄物指令”が改正され、加盟国においては2025年までにプラスチックのリサイクル率を50%にすることが目標として定められている。期限切れの使用済みのペイメントカードのリサイクルも、この目標達成に向けた取り組みの一環として期限切れ使用済みのカードの回収が進められている。また、銀行などの金融機関や多くのカード会社は、環境保護の観点から期限切れの使用済みのペイメントカードの回収・リサイクルを推進している。回収された期限切れの使用済みカードは、プラスチックのリサイクルや、他の製品の材料として再利用されることを目指している。
ヨーロッパにおける使用済みの期限切れのペイメントカードの回収方法とその状況は、国や地域、カード会社によって異なるが、一般的には次のような方法がとられている。
・ 銀行などの多くの金融機関では、支店やATMコーナーに専用の回収ボックスを設置し、期限切れのカードを安全に回収できるようにしている
・一部の金融機関やカード会社では、郵送や宅配便などで期限切れの使用済みカードを回収するサービスを提供している
各国・地域によって回収方法やその状況は異なるものの、全体的に期限切れの使用済みペイメントカードの回収率は向上傾向にあるとされている。
期限切れの使用済みのペイメントカードを廃棄する際は、カードに搭載された個人情報が漏洩しないように、予めICチップや磁気ストライプを破壊したり、カードにハサミを入れたりする必要があるので、銀行などの金融機関やカード会社はHPや窓口でその対応方法を案内している。 |
SPAのスマートカードの回収とリサイクルプログラム
接触型ICカード、非接触型ICカードなどのICカードの発行や利用に関する業界団体であるSPAが推進するスマートカードの回収とリサイクルプログラムは、使用済み(有効期限切れ)となったICカードを適切に回収し、リサイクルすることで、環境への負荷を軽減し、資源の有効活用を図ることを目的としたSPAの独自の取り組みである。
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