2013年3月27日16:30
東京大学大学院情報理工学系研究科は、電子決済における次世代個人認証技術の確立に向け、三菱UFJニコスの寄付による「次世代個人認証技術講座」を2013年4月1日から5年間にわたり開設すると発表した。
次世代個人認証技術講座は、4月1日に情報理工の附属教育研究施設として設立されるソーシャルICT研究センターの新有効サービスICT分野の講座として設置される。坂井修一特任教授と新たに任用が予定されている若手社員・研究員により運営される。次世代個人認証技術の寄付講座設置により、三菱UFJニコスと情報理工が協力して、安心・安全な電子決済の実現を目指すという。
インターネット上での電子決済は、その利便性の反面、クレジットカードの不正使用など、セキュリティの観点では万全とは言えない。また、生体認証をはじめ、不正使用などを防止する各種の個人認証技術が開発されているが、実用性の問題に加えて、指紋などを認証に使うことへの心理的抵抗感などの問題もあり、学術分野としても未成熟だという。同寄付講座では、上述の問題をクリアする個人認証技術の開発と実用化に向けた研究を行うとともに、今後同分野を担う研究者・技術者の育成も支援していく。