2014年9月25日8:00稼働率7割を誇るユニーグループの電子マネー「uniko」会員の利便性向上による固定化、店舗でのキャッシュレス化を目指す
ユニーは、ユニーグループの電子マネー「uniko(ユニコ)カード」の発行を行っている。unikoは、アピタ、ピアゴ、ユーホーム、サークルK・サンクス、ベンガベンガなど、ユニーグループでお得に利用できるカードとなっており、すでに7割近い稼働率を誇っているそうだ。サービスの現状と今後の展開について、カードイシュア(発行者)となるユニーグループのUCSに話を聞いた。
ユニーグループで利用を拡大
利用者は5万円まで入金でき無期限に利用可能
「uniko」は、2013年11月21日からアピタ・ピアゴ・ユーホームの直営売場で利用をスタートし、2014年7月18日からは全国のサークルKとサンクス、2014年8月1日からはアピタ・ピアゴ79店舗のショッピングセンター内の専門店とアピタのインターネットショッピング、9月3日から順次、五月雨式に「ベンガベンガ」で取扱を開始している。
unikoカードの発行手数料(カード代金)100円(税込)で、各店舗のレジ、サービスカウンターで申し込み可能だ。チャージは、店舗設置の「uniko(ユニコ)」チャージ機あるいはレジで1枚のカードに最大5万円まで行える(サークルKサンクスにはチャージ機の設置はなし)。また、1回の入金金額は、1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、1万円、2万円となる。
入金額の有効期限については無期限に設定。UCS 営業本部 カード事業部 カード営業部 マネジャー 辰巳武史氏は、「例えば交通系電子マネーは10年の期間が設けられていますが、流通系大手では無期限のカードを発行しています。unikoでもお客様に不利益にならないように有効期限を無期限に設定しています」と説明する。
利用者は、unikoカードで買い物すると、200円(税込)ごとに「ユニコポイント」が1ポイント貯まる。ポイントが500ポイント貯まると、500円分の電子マネーに自動交換される。また、ポイント有効期限は最長2年間となる。利用者は「ユニコWebサービス」や店頭のunikoチャージ機、カルワザステーションにて会員情報の登録や残高照会が可能だ。
uniko発行の経緯として、利用者目線で見ると、レジでのスピーディーな決済、つり銭の授受がない利便性を提供できると考えたという。また、グループ全体で考えると、会計時のキャッシュレス化に加え、ポイントを付与することで、顧客の固定化が図れると期待している。
また、UCSとしては、新たな決済サービスとして磁気プリペイド方式の電子マネーを発行することで、貸金業法の改正に伴うキャッシング収益の減少をカバーできるメリットもあったそうだ。
中京圏を中心に積極的な告知活動を展開
稼働率は想定の2倍の高さ
サービス構築に向けては、日立製作所の支援を受けている。システムは、日立ソリューションズのポイント管理ソリューション「PointInfinity(ポイントインフィニティー)」をカスタマイズして構築。電子マネーやポイントの発行、管理に必要なシステムを、短期間で構築できたそうだ。また、当初は非接触電子マネーも想定したが、投資を抑えられる磁気式プリペイドカードを選択したという。
プロモーション活動は、ユニーでの告知が中心だ。また、中京圏(愛知・岐阜・三重)でのテレビ、ラジオCMも行っている。さらに、7月18日にサークルKサンクスでサービスを開始した際には、名古屋市営地下鉄の構内で告知した。
unikoの発行枚数は当初の目標を下回っているが、利用率は目標値よりも倍近い数値となっているそうだ。その理由として辰巳氏は、「100円の手数料(カード代金)をいただいているため、利用したいという目的を持った方がunikoのカードをご利用いただいています。発行目標は現状70万枚と当初の150万枚を下回っていますが、稼働率は70%となっており、想定の35~40%を上回っています」と口にする。
UCSとしても現金で決済を行っていた人がunikoにシフトしているという手ごたえを感じているそうだ。店頭でもunikoのお得感をPRすることで、会員化につなげている。
会員の8割が女性で、シニア世代が中心
サークルKサンクスではRポイントカードとWでポイントが貯まる
現状、会員は女性が8割で、そのうち3割がシニア世代となる。会員は50~60代の保有率が最も高いそうだ。
予め金額をチャージして決済する方法については、シニアの世代も多いため、サービス開始前は理解してもらえるのかという不安もあったというが、「他の流通系電子マネーや鉄道利用などで使い慣れているため、想像以上に受け入れられています。また、レジで他のお客様がunikoをお使いになられている様子を見て、入会される方も多いです」と辰巳氏は笑顔を見せる。
さらに、unikoでは、5%OFF感謝デーや特別感謝デーの割引、ボーナスポイント・2倍デーの特典も受けられるそうだ(受けられる特典は加盟店ごとに異なる)。会員の稼働率も特典日にはアップし、カードで決済を行う人も増えるという。
決済単価をみると、ユニーが約2,400円、サークルKサンクスは約600円となっている。グループ内で利用を拡大したことにより、特に中部地方では、ユニーでunikoを購入した人をサークルKサンクスへ送客ができているそうだ。
アピタ・ピアゴ・ユーホームでは、POSレジとチャージ機でunikoのチャージが可能だ。推奨はチャージ機だが、POSで直接チャージする人も多いという。また、サークルKサンクスでは、レジでのチャージとなっている。
なお、サークルKサンクスでは楽天のRポイントカードも10月から導入する。これによって相乗的に会員が増えていくことを期待しているという。例えば、Rポイントカードを提示して、unikoで支払いを行えば、双方のポイントが付くため、それを訴求して利用者を積極的に取り込んでいきたいとしている。Rポイントカードの全国的な導入により、「ポイントの意識が高まり、中部地方以外でもunikoの利用が伸びると期待しています」と辰巳氏は意気込みを見せる。
今後は、中部地方以外でのunikoの利用拡大を目指す。特に、関東地方や静岡でのunikoの推進は大きな課題となっている。
グループの売上の55%を非現金化にすることが目標
発行目標は430万枚がグループの大きなビジョンに
当面の目標としては、2018年までにユニーの直営売り場での55%を非現金化していくことだ。比率としては、unikoで25%、クレジットカードで30%まで高めていきたいとしている。現状は35%が非現金だが、55%まで高まれば販促活動にさらに有効活用可能だ。また、unikoは属性の登録率が高いため、強固な会員基盤を構築することで、新たな商品の開発・販売などにつなげていく方針だ。
unikoの発行目標としては、430万枚がグループの大きなビジョンとなっているが、その目標に向け、施策を強化している。2014年8月にもキャンペーンを大々的に行ったが、順調に会員数も伸びているそうだ。今後もこのような取り組みを継続的に実施することで、さらなる会員数の増加と利用の拡大を目指す。