2014年11月10日8:22デンソーウェーブとレピカがQRコードによるクラウドサービス提供第一弾として食品や工業製品の「トレーサビリティ」サービス開発
ギフト・プリペイドカードサービスを展開するレピカと、自動認識事業を展開するデンソーウェーブは、2014年10月7日に資本・業務提携を行い、両社が協力して進めるサービスについて11月6日に記者会見を開催した。デンソーウェーブは、データ蓄積を行うクラウドサービスと、クラウドと連携するスマートフォン用アプリの機能モジュールで構成されたサービス「Q-revo」の提供を開始し、レピカ子会社のアララはQRコードリーダーアプリとして「QR Code Reader“Q”」をデンソーウェーブと共同で開発したが、食品及び工業製品の「トレーサビリティ」サービスの提供を開始する。
2014年はQRコード開発から20周年
レピカと協力しQRコードの次世代サービスを開発
デンソーウェーブは、1982年に世界初のCCDイメージセンサー採用のハンディスキャナ、1988年にCCDスキャナ一体型のハンディターミナル、1997年にQRコード対応ハンディスキャナなど、自動認識技術の応用製品を開発している。これまで新幹線の車内販売、工場、交通など、同社の製品が活用されている。最近では、ウェアラブル製品も投入した。
2014年は同社がQRコードを開発してから20周年の節目の年となる。QRコードは、国内だけではなく、海外での採用が急速に進んでいるそうだ。また、最近ではQRコード自体に付加価値を持った製品を開発している。データの秘匿化が可能な「SQRC」、コピー防止機能を持った「不正防止QR」、ATコミュニケーションズと推進するデザインと一体となったロゴ「Q」、2014年は「フレームQR」をリリースした。「フレームQR」は、コードの真ん中にキャンパス領域を持たせることにより、デザイン性が格段に進化したのが特徴となっている。
10月7日に、レピカは、デンソーウェーブを引受先として1億円の第三者割当増資を実施。デンソーウェーブ 代表取締役 柵木充彦氏は、レピカと資本・業務提携を行うことで、「デンソーウェーブが培ってきた高い技術やシステムのノウハウ、信頼性の高いコード、管理機能、レピカが持つスマートフォン等の汎用デバイスを活用したアプリケーションの展開力、ポイントやプリペイドカードを活用したCRMなど、魅力のあるソリューションが展開できる」と期待する。
子会社アララのARサービス「ARAPPLI」でもQRコードを活用
「QR Code Reader “Q”」は小さい、細かいQRコードの読み取りも可能
一方、レピカは、ポイントカード、電子マネー、ギフトカード機能を搭載したハイブリッドのカード型システム「ポイントプラス(Point+PLUS)」、大量のメールを高速に生成・配信し、確実に届ける高機能メール配信システム「repica editor」「auto-mall」「sender」を提供している。この2つを融合させることで、来店客との継続的なコミュニケーションが実現可能だ。
また、4年前に設立した子会社のアララはARサービス「ARAPPLI(アラプリ)」を展開している。アラプリは、QRコードを組み合わせたアイコンをスマートフォンで読み取ることで、2D、3Dコンテンツが飛び出す仕組みで、さまざまな企業が利用しているそうだ。QRコードをアイコンにした理由として、ほとんどのフューチャーファンにはQRコードリーダーが付いており、「スマホでも一番わかりやすいアイコンはQRコード」とレピカ 代表取締役社長岩井陽介氏は説明する。
もともと“世界最高のQRコードを作りたい”と考え、両社の取り組みはスタートしたが、両社が共同で開発した「QR Code Reader “Q”」は、最新のQRエンジンを搭載しているため、小さい・細かいQRコードも瞬時に読み取りが可能だ。例えば、「タオルに付いたQRコードは他社製では読み取れないが、“Q”では読み取れます」と岩井氏は自信を見せる。
工業製品の真贋判定では低コストタグで偽造を防止
食品のトレーサビリティはあっぷふぁーむソリューションズと提携
両社では、提携の第一弾として、SQRC、フレームQRなど、進化したQRコードの生成・配信、読み取り、データ蓄積を行うクラウドサーバと「QR Code Reader “Q”」を活用した次世代型サービス「Q-revo」を開発。今後は、食品や工業製品において、「トレーサビリティ」をキーワードに両社のノウハウを活かしたサービスを展開していく方針だ。
工業製品におけるトレーサビリティ(真贋判定機能)は、工場出荷から流通業者への納品、消費者の手元に届くまでの流れを「Q-revo」により可視化する。例えば、真贋判定にICチップやRFIDを活用するとコストアップは避けられないが、ホログラムが入ったフレームQRにより、偽造困難なタグが低コストで提供できるそうだ。また、流通業者や消費者は正規品かどうかをスマートフォンで確認できる。さらに、メーカーから消費者への情報発信も可能になる。
食品トレーサビリティシステムは、食材が産地から、消費者の手元に届くまでの経路を把握可能なシステムとなる。出荷数量などの中間段階で混合などを防ぐ「出荷管理」、生産地から消費者までの「流通管理」、生産者・場所・時間などで見える化する「品質管理」を売りとしている。まずは、お米を農家から直接仕入れて販売しているあっぷふぁーむソリューションズと提携。こだわり米を集めた新しいお米ブランド「米風土」の製品を対象に「Q-revo」を用いたトライアルを重ね、仕組みの構築を目指すという。あっぷふぁーむソリューションズ 代表取締役 高橋隆造氏は、「Q-revoは我々、お客様、生産者にとっても素晴らしい仕組み」であると期待する。
なお、具体的な売り上げ目標については、トレーサビリティシステムの検証を進め、サービスとして整った際、発表する方針だ。
企業名 | 所在地 | HP | |
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サービス概要 | |||
レピカは、プリペイド機能・ポイント機能がついたメンバーズカードや、ギフトカードサービスを簡単に導入できるシステムをASPで安価に提供しております。 またカード保有者のメールアドレスを取得できる仕組みにより、モバイルを活用したCRMを容易に実現。これまでのノウハウを生かした提案で、集客およびリピートが期待できる付加価値の高いサービスを提供していきます。 |