2014年11月19日18:55
SafeNet(セーフネット)は、2014年第3四半期におけるデータ漏えいの深刻度を指標化したSafeNet Breach Level Index(BLI)の内容を発表した。2014年第3四半期は、ハッカーが金融サービスや小売企業、さらには個人ユーザーのオンラインアカウントや個人情報に対して大規模な攻撃を仕掛けることに成功しており、消費者はさまざまなデータプライバシーやセキュリティの脅威に直面したという。
2014年7月~9月の期間に報告された全世界の情報漏えい事件は合計320件で、前年同期より約25%近く増加した。1億8,300万件以上の個人情報および金融情報が含まれたアカウントやデータが盗難に遭った、もしくは紛失したことになるそうだ。
銀行取引やショッピング、オンライン上のIDなど、消費者の行動にまつわる主な分野で漏えい事件が起こっていることから、個人ユーザーもデータのプライバシーに関して不安を感じているという。さまざまな分野の中でも特に金融サービス(42%)と小売業(31%)において、顧客のアカウントやデータ記録の漏えい数が高いという結果が出ている。これらに次いで漏えい数が多かったのは、メールやゲーム、その他クラウドサービスなどを含む、テクノロジー/個人オンラインアカウントの分野(20%)となる。また、漏えい被害に遭ったデータの種類別では、ID盗難が全体の46%で最も高いという結果になった。アジア地域においては、日本の大手航空会社への悪意のある部外者による不正アクセスで顧客データの情報が漏えいした被害は、第3四半期において全世界で第9番目に深刻度の高い情報漏えい被害となった。これは、韓国のオンラインゲームなどを提供するクラウドサービスへの不正アクセスに続いて2番目の深刻度であるという。
SafeNetの最高戦略責任者 Tsion Gonen氏は、「特に小売業では相次いで情報漏えい事件が発生しました。犯罪者は、金銭目的でクレジットカードや銀行情報にアクセスしたり、IDを盗み出して個人情報を入手したりしているのです。ユーザーはこうした情報漏えいに対し、これまで寛容な態度を示していました。クレジットカードが盗難に遭えば銀行が新たなカードを発行するといったように、情報にアクセスされても誰かが何とかしてくれると考えているためです。しかし、オンライン上でのID漏えいの急増は、個人ユーザーにとっても深刻な問題です。個人的な写真やプライベートなメッセージに一度でもアクセスされオンライン上に漏れてしまうと、元には戻らないのです。その情報は永遠にサイバー空間にとどまることになり、今後の雇用主や友人、家族などにも知られてしまうでしょう」と述べている。