2016年11月18日9:28
主に遠隔決済と近接決済に分けられる
モバイルペイメント(Mobile Payments)とは、スマートフォンやタブレット端末機、モバイルフォンのデバイスを使って資金決済や資金の振替、送金ができる遠隔決済と、NFC(Near Field Communication)や赤外線通信、QRコードの読込などのテクノロジーを用いた近接決済のペイメントシステムのことである。海外はもちろん、国内でもさまざまなモバイルペイメントが登場しているが、「世界の決済・送金サービスのイノベーション」では、世界のモバイルペイメントの動向を紹介している。
モバイルデバイスを用いた遠隔決済と近接決済のモバイルペイメントのプラットフォームには、ケニアのM-PESAで有名な「SMS(Short Message Service)ベースのトランザクションペイメント」やWAP(Wireless Application Protocol)のテクノロジーを用いたモバイルインターネット上でのモバイルペイメントである「モバイルウェブペイメント」、Mコマースやモバイルオンラインゲームなどに用いられる「ダイレクトモバイル課金」やデジタルコンテンツの課金システムとして採用されているモバイルフォンキャリアの通信料の請求に併せて課金する「オペレータダイレクト課金」、デジタルアカウントである電子財布のモバイルバージョンである「モバイル財布」、2次元バーコードによる「QRコードによるモバイルペイメント」、近接通信のテクノロジーを用いた「NFC(Near Field Communication) によるモバイルペイメント」、「赤外線通信(Bluetooth)の通信テクノロジーを用いたモバイルペイメント」、パーキングアプリや配車サービスアプリなどによりクラウドにリンクされたアカウントによる「クラウドベースのモバイルペイメント」、モバイルバンキングベースの「銀行口座振替・振込」、モバイルデバイスをカード決済端末機として用いる「モバイルPOSペイメント」など、さまざまなものがある。
(図表)は、こうしたモバイルペイメントを遠隔(Remote)型モバイルペイメントと近接(Proximity)型モバイルペイメントに分け、P2P(Pear to Pear、個人間決済)とB2C(個人と事業者間決済)に分けて、モバイルペイメントのプラットフォームを示したものである。
遠隔(Remote)型モバイルペイメントのP2P(個人間決済)には、モバイル財布やモバイルバンキングなどによる「モバイルマネートランスファー」や「モバイル送金」がある。遠隔(Remote)型モバイルペイメントのB2C(個人と事業者間決済)には、「モバイルオンラインペイメント」や「DMB」(Direct Mobile Bill)などがある。
近接(Proximity)型モバイルペイメントのP2P(個人間決済)には、2つのモバイルデバイスを互いに近づけ、NFCやQRコード、赤外線通信(Bluetooth)によりバリューを転送する「コンタクトレスペイメント」がある。
近接(Proximity)型モバイルペイメントのB2C(個人と事業者間決済)には、店舗のPOSシステムとNFCやQRコード、赤外線通信(Bluetooth)による「コンタクトレスペイメント」や、スマートフォンやタブレット端末機にカードリーダを接続させ、POSカード決済端末機として用い、クレジットカードやデビットカードのコンタクトレスペイメントやNFCのモバイルペイメントを可能にする「モバイルPOSペイメント」がある。