「EZOCA」の独自電子マネー「EZOマネー」を展開、マルチブランドの電子マネー決済に対応(サツドラホールディングス)

2017年3月16日8:22

中国で普及しているスマホ決済サービス「WeChat Pay」も導入

北海道内大手のドラッグストア「サツドラ」では、北海道共通ポイントカード「EZOCA(エゾカ)」のプリペイド電子マネー「EZOマネー」を導入するとともに、2016年10月から、マルチブランドの電子マネーでの決済に対応した。さらに、11月には中国版LINEの「WeChat(微信)」を運営するテンセントのグループ企業、テンペイと業務提携し、スマホ決済代行サービス「WeChat Pay」を導入。国内外の顧客に対して多彩な決済方法を提示することで、利便性の向上を目指す。 

「EZOマネー」の利用率は18%に拡大
マルチブランドの電子マネー決済が実現

1972年創業の老舗かつ北海道内の大手ドラッグストアとして180店舗を展開する「サツドラ」。ドラッグストア事業以外にもサツドラ調剤薬局、ファミリー薬局といった調剤事業や、近年ではサツドラをはじめ提携店で使える北海道共通ポイントカード「EZOCA(エゾカ)」を中心とした地域マーケティング事業などにも進出。そこで、サツドラをメインにブランド力を強化すべく、各事業を束ねたサツドラホールディングス株式会社を2016年8月に設立した。

グループ会社のリージョナルマーケティングが展開する「EZOCA」にはサツドラのみで使えるプリペイド機能「EZOマネー」が2015年6月より導入されている。EZOマネーが全体に占める決済比率は2017年2月現在、約20%に拡大。独自電子マネーとして着実に浸透してきている。

北海道共通ポイントカード「EZOCA」。サツドラでは「EZOマネー」サービスも提供
「雪ミク」とコラボした数量限定の「雪ミクEZOCA」も発行

「導入当時は決済比率目標を7~8%に設定していたため、EZOマネーの利用が多いことにビックリしました。非現金決済はお客様にとって精算が速くて待ち時間が短縮するだけでなく、レジ誤差が少ない、オペレーションが楽という事業者側の利点もあり、今後も非現金決済の比率は拡がると予測しています」(サツドラホールディングス 総務部 広報・IR・CSR担当)

また、2016年10月に楽天Edy、nanaco、QUICPay、iD、交通系電子マネーが使える電子マネー決済をスタート。クラウド型決済プラットフォームを使用し、さまざまな支払手段の提供とレジでのスピーディーな決済を実現した。サツドラでは現在も新規出店が盛んに行われており、専用端末をスムーズに手配できるメリットもあるという。

店舗では「EZOCA」や電子マネーの利用を告知

 

「レジと決済端末の感応スピードも良く、操作も簡単でパートさんでも対応しやすいと好評です。道内には札幌市営地下鉄や北海道中央バスなどで使えるSAPICAという電子マネーも流通しており、今後も多彩な電子マネーに対応していきたいです」(サツドラホールディングス 総務部 広報・IR・CSR担当)

電子マネー決済はシンクライアント型のシステムを採用

まだ導入されて数カ月だが、電子マネーの中ではiD、nanaco、QUICPayの利用が多く、特に北海道発祥のQUICPayは客単価が高い傾向にあるという。交通系電子マネーはkitacaの利用が最多だが、サツドラは鉄道が走っていない地域にも数多く出店しているため、想定していたよりも交通系電子マネーの利用は低いようだ。

中国で浸透するWeChat Payを導入
インバウンド対応店を中心に対応を進める

さらに、サツドラホールディングスでは、2014年6月の「狸小路5丁目店」を皮切りに、インバウンドフォーマットを20店舗展開。加えて、リージョナルマーケティングは、中国のSNS「WeChat(微信)」を運営しているテンセントホールディングスのグループ企業、財付通支付科技有限公司(Tenpay Payment Technology Co.,Ltd.:テンペイ)と2016年11月、業務提携契約を締結。インバウンド向け決済代行サービス「WeChat Pay(微信支付)」をスタートさせた。すでに一部の店舗ではWeChat Payを導入しているが、「想定以上の利用があります」と同部マネジャーは話す。インバウンドフォーマットの店舗には、春節(1月27日~2月2日)に間に合うようにWeChat Payを導入した。

「WeChat Pay」は、利用者のスマートフォンに表示されたQRコードを店頭の端末で読み取ると、銀行口座から即時利用金額が引き落とされるシステム。店舗側ではタブレット端末などに専用アプリを入れるだけで始められる。リージョナルマーケティングへの関連手数料がクレジットカード手数料より抑えられることから石屋製菓や加森観光などがすでに導入を決めており、初年度でサツドラ店舗を含めて加盟店500店舗を目指す。

「サツドラではMicrosoft Azureを活用したPOSレジを自社開発しており、今後はWeChatと連動した情報サイトを通じて、まずは中国からのお客様にとって利便性の高いサービスを提供していきたいです」(同部マネジャー)

サツドラではストアコンセプトに「北海道の『いつも』を楽しく」を掲げ、顧客により楽しく、便利に買い物してもらう店舗を目指している。同社では国内の利用者からインバウンド対応まで、利便性の高い決済サービスを提供していきたいとしている。

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