2017年5月18日8:58
将来的には対象カードをさらに拡大し、誰でも気軽に利用できるサービスを目指す
ウェルスナビは、2017年5月17日に記者会見を開催し、 おつりで資産運用アプリ「マメタス」を2017年5月末より提供すると発表した。「マメタス」は、毎日のクレジットカードでの買い物の“おつり”を積み立てることができるため、気軽に資産運用を始めることができるという。
おつりは100円・500円・1,000円の端数から選択可能
「マメタス」は、毎日のクレジットカードでの買い物の「おつり」が、 ロボアドバイザーにより資産運用されるサービスだ。クレジットカードは、家計簿アプリ「Moneytree」に登録可能なクレジットカードであれば対応できる(クレジットカードの119種類に対応済み、3未対応)。資産運用は、「長期・積立・分散」による資産運用サービスを提供するロボアドバイザー「WealthNavi」が実施。
サービス開始当初は、iOS版を提供する。おつりの金額は、100円・500円・1,000円の端数から選択可能で、毎月1回、貯まったおつりを銀行口座から自動的に引き落とし資産運用する仕組みだ。
日本でもドイツ並みに貯蓄から投資への流れが進むと想定
厚生労働省の統計によると、大企業の定年の場合の退職金が2.5%のペースで減少している。このペースで減少が進むと、現在35歳の人が退職するときには1,000万円を切る。また、少子高齢化によって、年金に関する不安を抱える人も多い。そうした流れから、働く人を中心に資産運用に関心が高まっているそうだ。
その一方で、日本の個人金融資産1,800兆円の52%が預貯金に充てられている。これは、他の先進国と比べても高い水準だ。ドイツでも日本同様に10年前は預貯金が個人金融資産の半分以上を占めていたが、貯蓄から投資への流れが進み、現在は4割を超える水準まで下がっている。
ウェルスナビ 代表取締役CEO 柴山和久氏は、「今後は、日本でもドイツ並みに貯蓄から投資への流れが進み、よりバランスがとれた個人金融資産の配分になると考えています。ドイツ並みになると、約200兆円が貯蓄から投資へと移っていくことになります」と説明する。
「WealthNavi for 住信 SBIネット銀行」の利用者からサービスを提供
「WealthNavi」は、2016年7月の正式リリースから9カ月で、申込件数1万8,000件、預かり資産100億円を突破(4月28日時点)。5月17日時点では申込件数2万1,000口座を突破している。「WealthNavi」では、「長期・積立・分散」による資産運用を自動化することによって、20~50代の働く世代の資産運用をサポート。また、利用者の9割が投資や資産運用の経験者となっている。
ただし、多くの人が、「資産運用のやり方がわからない」「損しないか不安」「誰に相談したらいいかわからない」といったように、投資や資産運用に漠然とした不安を抱えている。そういった状況の中、ウェルスナビでは「長期・積立・分散」による資産運用を気軽に始められるようにするため、「マメタス」を開発したという。
マメタスの提供開始時には、 住信SBIネット銀行のロボアドバイザーサービス「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」にて資産運用を行い、積立を設定している人が利用可能だ。今後は、対象となる範囲を順次拡大し、広く普及するように努めていきたいとしている。なお、WealthNavi for 住信SBIネット銀行をスタートする際は30万円の預け入れ資産が必要となるが、「近い将来には たとえば10万円、1万円、500円から気軽におつりで資産運用に回っていくサービスを作っていきたいと考えています」と柴山氏は意気込みを見せる。同氏は、Fintech(フィンテック)や銀行APIという次世代のインフラが生きていくことにより、少額から気軽に使えるサービスが日本で普及すると考えている。
将来的には、電子マネー、マイル・ポイント、仮想通貨などのおつりも対象に?
現在はMoneytreeに登録可能なクレジットカードが利用可能だが、柴山氏は、「サービスの対象となるカードは増やしていきたい」とした上で、「将来的には誰でも気軽に、安心して使えるインフラに発展させていきたいと考えていますし、電子マネーや航空会社のマイル・ポイント、仮想通貨など、現金でない形での財のやりとりが一般的になっていますので、FinTechサービスとして、誰にでも使っていただけるサービスを作っていく以上は、そういった流れに積極的に対応することになると思います」と語った。
ウェルスナビでは、 Android版での「マメタス」提供準備も進めているという。まずは1年間で30万人の利用を見込んでいる。