2017年8月22日8:00
ポイントサイト「ハピタス」運営会社「オズビジョン」の100%出資会社「Pollet」が発行
ポイントサイト「ハピタス」を運営するオズビジョンの100%出資会社であるPolletは、三井住友フィナンシャルグループのセディナと提携し、2017年3月7日より、国際ブランドプリペイドカード「Pollet Visa Prepaid(ポレット ビザ プリペイド)」を発行している。ユーザーの手元で眠っている各種ポイント、商品券などの金融資産をひとまとめにして、無駄なく、世界中で使えるようにしようというコンセプトのもと、スタートした。現時点では「ハピタス」会員にフォーカスしてサービスを告知・提供しているが、チャージ額は月間約2億円弱に上り、好調な滑り出しを見せている。ユーザー数が一定規模に達した後、購買履歴に基づき広告、マーケティング・ソリューションを展開することによって、収益を確保することを見込む。
使えずに眠っている金融資産をひとまとめ
無駄なく活用できるユーザー目線のサービスを目指す
国内最大級のポイントサイト「ハピタス」では年間20億円相当のポイントを発行している。また、日本国内全体では、年間500億~1,000億円規模のポイントが発行されていると言われる。しかし、たとえば300ポイント貯まらないと使えないポイントであれば、299ポイントは0円と同じ。こうしてかなりの割合のポイントが、使えずに休眠していると見られる。「Pollet Visa Prepaid」ではこれらのポイントをまとめてチャージし、国内外のVisa加盟店で利用することが可能だ。眠っていた金融資産が生き返るサービスを目指している。
Pollet 代表取締役 鈴木良氏は、「ポイントは、余る、散らばる、使い方・使い道が制限される。その不便を解消するためのサービスが、『Pollet Visa Prepaid』です」と、カード発行の経緯について説明する。
「ハピタス」「ポイントインカム」の会員を対象にスタート
バーチャルカード、ビットコインなどの仮想通貨への対応も見据える
現時点ではまず、「ハピタス」と、提携を結んだポイントサイト「ポイントインカム」の会員を対象にサービスをスタート。両サイトのポイント、および、クレジットカード、銀行口座(ペイジー)からのチャージが可能だ。入会費・年会費は無料。ポイントのチャージに手数料はかからず、チャージ金額の0.5%が増額付与される。クレジットカード、銀行口座からのチャージには1回につき300円(税込み)の手数料がかかるが、セディナが発行する国際ブランド付きクレジットカードの手数料は無料だ。さらに今後、バーチャルカード、ビットコインなどの仮想通貨への対応も見据える。
「ハピタス会員の中には数百万単位でポイントを保有している人も多く、限度額いっぱいまでチャージするケースも珍しくありません」(鈴木氏)
ユーザーの利用履歴に基づいたマーケティングによって収益を確保
まずは30万人のユーザー獲得を目指す
ポレットでは、ユーザーからのチャージ手数料や加盟店からの決済手数料を収益源とすることは考えていない。その理由について鈴木氏は、「プリペイドカードでは、クレジットカードのような大きな手数料収入は望めません。それならむしろ手数料は無料にしてユーザー数を増やし、蓄積した購買データを基盤にして別のキャッシュポイントをつくろうという計画です」と話す。
具体的には、まず購買履歴を活用した広告・プロモーションの展開。そしてもう1つ、同社が“本命の”収益源と語るのは、決済履歴に基づくスコアリング・ビジネスだ。蓄積されたデータを用いることによって、クレジットカードの発行、融資などの際の審査の精度を上げ、かかる時間を大幅に短縮することができると考えている。
そのためにまず越えなければならないハードルは、ユーザー数の獲得だ。鈴木氏は、「当面はハピタス、ポイントインカムの会員にフォーカスし、2年後までに30万人のユーザーを獲得するのが目標です。その時点で収益モデルを確定し、提携先の拡大を図っていく計画です。提携先を増やすためには、提携するメリットを明確にすることも重要だと考えています」と意気込む。5年後には人々の生活に溶け込んだサービスになっていることを目指し、1つ1つステップを踏んで事業の基盤固めをしていきたいとしている。
※当初、ご紹介した内容で三井住友フィナンシャルグループの表記に誤りがありました。お詫びして修正させていただきます。