2018年1月11日9:50
フランスのFIMEは、認証試験サービスをはじめ、コンサルティングサービス、認証ツール・カーネル販売、設計支援を行うグローバル企業だ。同社の取り組みについて話を聞いた。
世界中の決済を行うプロダクトの80%はFIMEが認証?
FIMEは、カード、モバイル関連製品、POSなどの決済デバイス、アプリケーションが業界の規格に準じているかを認証している。FIME ビジネスデベロップメント・アジアパシフィック Cindy CHO氏は、「FIMEはペイメントのラボラトリとして、世界トップの位置づけです。世界中の決済を行うプロダクトの80%は弊社が認証しています。弊社のノウハウは20年前から使われています」と説明する。
たとえば、モバイルではEMVCo Mobile Level1やNFCフォーラム、各国際ブランドの規格など、カードや端末(ターミナル)はEMVCoや各国際ブランド、オーストラリアのeftpos(エフトポス)、シンガポールのNETS(ネッツ)などの認証試験サービスを実施可能だ。また、認証試験に向けたコンサルティングサービス、技術トレーニング、技術設計、テストツールの提供が可能だという。
グローバルに拠点を有し、日本でもビジネスを展開
世界では、中東、アフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、インドなどでビジネスを展開。東アジアについては、台湾、東京、韓国、中国に拠点を有する。銀行(イシュア、アクワイアラ)に加え、カードベンダー、モバイルベンダー、POS、アプリ、ソリューションプロバイダーなどに対し、サービスを提供している。
なお、日本ではFIME Japanを2013年に設立。NFCの技術を使ったモバイル関連製品や端末製品のテストラボとして活動している。日本では、数社にサービスを提供。2020年の東京五輪に向け、近年はEMVコンタクトレス関連の認証試験やコンサルティングの需要が高まっているそうだ。
川上から川下までワンストップでサービスを提供
認証試験サービスを行う機関は世界に複数あるが、サービスの川上から川下までワンストップで提供している企業はほとんどないとしている。また、コストに関しては、他の企業よりも高めだが、「決済市場では、クオリティの方を優先するケースが多いです」とCindy CHO氏は話す。
FIMEでは、「TRUSTECH2017」において、同社のサービスを「ピンボール」のゲームに見立てて説明した。決済の技術が進化するなか、EMVCoなどのさまざまな認証試験に対応し、金融当局との密接な関係にあり、銀行等へのトレーニング、デザインの設計、バリデーション、ローンチ段階まで、すべて提供可能だ。また、独自のトリックやノウハウにより、ピンボールの得点が重ねられ、さまざまな技を駆使して、成功に導くという。
FIME マーケティングコミュニケーション ヘッド Stephanie PIETRI氏は、「川上から川下まですべて付き添ってあげるから成功できるというイメージを意識して制作しました」と説明した。
取材は2017年11月28日~11月30日までフランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)2017」において。