2010年10月15日8:05
「ポイントサービスの現在」~カルチュア・コンビニエンス・クラブ「Tポイント」(2)
10月から「TログインID」のサービスを開始
サービス系やメーカーとの提携も加速
同社では10月初旬から「TログインID」のサービスを開始。Tカード保有者はTログインIDに登録することで、リアル店舗だけでなくインターネットの利用でもTポイントを貯めたり、使ったりすることが可能になる。また、Tカードを保持していない人でも、TログインID登録後にTポイントを貯めたり、使ったりすることが可能になる。さらに、Tカードを保持していない人で、TログインIDに登録した人がTカードを発行店舗で作った際には、「Tカード」「TログインID」のT会員番号を連携することで、リアルとネット双方で連携したサービスが受けられるようになった。
同社ではインターネット進出の足掛かりとしてヤフーと提携し、11月中旬から、同社が運営するポータルサイト「Yahoo! JAPAN」にTポイントを導入する。これは、Yahoo!ポイントのサイトから、「Yahoo! JAPAN ID」とCCCが開始した「TログインID」のID連携を行い、Yahoo! JAPAN IDでログインしてYahoo!ショッピングで買い物をする際に、Tポイントを貯めたり、使うことができるようになるもの。利用者はYahoo!ポイントかTポイントかどちらを貯めるのかを選択できるが、両社の交換は原則として行うことはできない。
「弊社ではすでに出前館やカカクコムの『yoyaQ.com』などと提携していますが、インターネットの世界はまだまだ拡大の余地があると考えています。今後、この部分は重点的に強化していく方針です」(大野氏)
サービス系としては、2009年6月から毎日新聞と提携し、今年の4月から購読料の支払いに対し、100円で1ポイント付与する取り組みを行っている。
メーカーとの連携では日立コンシューマエレクトロニクスと提携し、デジタルハイビジョンテレビ「Wooo」シリーズを対象にポイントを付与するサービスを開始した。利用者は対象の薄型テレビを購入後、専用Webサイトから申請することでTポイントを貯めることができる。また、コンタクトメーカーのボシュロムと提携し、ボシュロム製品を購入するとポイントを付与する取り組みも実施している。
Tポイントの認知率は88%
競合の登場は様子見の段階
今年の3月からはロイヤリティマーケティングがPontaのサービスを開始。本当の意味でTポイントの競合が登場した。
「Tポイントの認知率は弊社調べで88%まで高まっています。強みはいろいろな店舗でポイントが貯まり、利用できる点であり、利用者にもその『価値』は認識されています。現状、各店舗での発行件数も伸びており、ポイントを提示する人の関与率も堅調に伸びています。Pontaについては戦略がまだみえてこないので、様子見の段階です」(大野氏)
Pontaのリリース後は、同社に対するメディアの関心も高まるなど相乗効果も生まれており、現状では様子見の段階だという。
昨今は、消費不況の影響により、顧客の買い控えが目立っているが、「そういった時代だからこそ、ポイントをいろいろな店舗で賢く貯めたいという意識が働いていており、Tポイントの利用が伸びている要因となっています」と大野氏は説明する。
なお、クレジットカード機能付きTカードは現金カードよりも利用される傾向にあるという。しかし、法規制などの影響によりクレジットカード会社も提携カードの発行を収縮しているため、発行枚数自体は減少傾向にある。