飛騨高山の「さるぼぼコイン」、地域通貨としての取り組みを強化し利用者拡大を目指す(飛騨信用組合)

2019年10月9日8:33

岐阜県の飛騨・高山地域を拠点とする飛騨信用組合は、2017年12月から、高山市・飛騨市・白川村限定で、スマートフォンを活用した電子地域通貨「さるぼぼコイン」を展開しており、着実に浸透している。2019年9月11日~15日まで岐阜県高山市で開催された第5回貨幣革新・地域通貨国際会議飛騨高山大会(RAMICS)で、飛騨信用組合 常務理事 経営企画部長 山腰和重氏にサービスの現状について話を聞いた。

加盟店は1,200店舗弱、事業者の約2割に広がる

さるぼぼコインは、全国でもいち早くユーザーが加盟店に設置された二次元コードを読み取るMPM(Merchant Presented Mode)方式を採用したスマートフォン決済サービスとなる。普通預金口座との連携、もしくはプリペイドチャージして利用可能だ。

飛騨信用組合 常務理事 経営企画部長 山腰和重氏

2019年9月15日時点での加盟店数は1,200店舗弱。また、アプリのダウンロードは2万を超えたが、その中で実際に利用した数は9,000弱となっている。山腰氏は、「当地での普及率は事業者で約2割、利用者は10%程となっています」としたうえで、「まだまだですが、まずまずです」とこれまでの取り組みを評価する。

特に加盟店については、普段使いでの環境が整ってきた。日常利用されるスーパーマーケットやドラッグストアをはじめ、居酒屋や飲食店の加盟が増えている。また、地域のタクシー、バスセンターでも使うことが可能だ。加盟店の手数料は1.5%と、クレジットカード決済などよりも低く抑えている。現在は、地域の店舗から直接加盟したいという声も増えてきた。

利用者については、50、60代の女性がボリュームゾーンで、ポイントロイヤリティが高い層が多い。具体的な利用は、ドラッグストアやスーパーマーケット等の利用者が約半数を占める。当初は加盟店の拡大に力を入れていたため、利用者の拡大は課題だというが、10月からは「キャッシュレス・消費者還元事業」により、手数料補助などのメリットも大きいため、さらに利用を伸ばしていきたいとした。

飛騨市・高山市の市税納付対応、飛騨市の防災情報配信も

さるぼぼコインの利用では、普通預金口座との連携が半数以上となる。また、飛騨信用組合の本支店などでプリペイドチャージできるほか、チャージ機を駿河屋エブリ東山店内やフレスポ高山JINJIN店内などに設置している。山腰氏は、「チャージ機を利用される方は増えています。窓口よりもストレスが小さく、稼働率は高いです」とした。

新たな取り組みとして、2019年4月からは飛騨市、7月に高山市と連携し、市税等の支払いで対応を開始している。8月からは、飛騨市と連携し災害関連情報の発信にも対応。大雨や熊の出没情報などを半径3メートルに絞って、さるぼぼコイン利用者に情報配信を行うことが可能だ。

さるぼぼコインでしか買えない商品提供、MaaSなどに取り組む

なお、飛騨信用組合では、Alipay(アリペイ)のアクワイアリング(加盟店開拓)も実施しており、加盟店も伸びているそうだ。山腰氏は、「さるぼぼコイン導入したお店は、Alipayとオペレーションが一緒なので説明は早いです」とした。また、琉球銀行との業務提携により、クレジットカード加盟店の募集開拓や代払いの業務等を請け負うカード加盟店サービスを開始しており、マルチ端末の設置を行っている。

さるぼぼコインは今年末で開始から2年を迎えるが、「地域活性化につながっており、RAMICSが高山で開催されたこと自体が成果」であるとした。今後の取り組みとしては、より地域通貨に軸足を置くという。

RAMICSでは、飛騨信用組合 常勤理事総務部長 フィンテックプロジェクトチームリーダー 古里圭史氏が “円では買えない、さるぼぼコインでしか買えない商品”を提供していくと紹介した。また、MaaS Tech Japanの展示ブースでは、MaaS(Mobility as a Service)の実証実験を行うと紹介していた。

※取材は第5回貨幣革新・地域通貨国際会議飛騨高山大会(RAMICS)会場にて

関連記事

ペイメントニュース最新情報

決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

現金とキャッシュレスの売上をリアルタイムに確認可能なIoTプラットフォーム「IoT Cube」/Pay BOX(飛天ジャパン)

BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)
電子マネー、クレジット、QRコード、共通ポイント、ハウスプリペイドなど、43サービスをご提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP