2011年6月8日11:58
三菱重工業は、2011年6月7日、シンガポールのシステム統合サービス会社であるNCS Pte. Ltd.と共同で、同国都市部の渋滞を緩和する次世代型電子式道路課金システム(Electronic Road Pricing System:ERP)の実証試験を受注したと発表した。同国陸上交通庁(LTA)が選出した4グループの1つとして指名されたもので、今後18カ月の契約期間でシステム開発と評価試験を行うという。
同社グループの実証試験は、三菱重工業全額出資の現地法人であるMHI Engine System Asia Pte. Ltd.(MHIES-A)とNCS Pte. Ltd.がコンソーシアムとして実施する。同実証試験は、シンガポールにとって最適なソリューションを特定するためのものであり、この結果を受け、同国政府は次世代ERP導入に向けた本格的検討に入ることとなる。
シンガポールでは、1998年に世界初となる同社製ERPを導入。現在では約90箇所でERPが運用されている。また同社は、これまで累計で約250万台の車載器を納入したほか、2009年末にはLTAから5カ年にわたるERPメンテナンス契約を受注した。
都市部の渋滞・環境問題はいまや大都市共通の課題であるが、その解消手段であるERPはシンガポールのほか、ロンドンなど数都市がすでに導入している。
三菱重工業では今後も、自動車などの移動体に通信システムを接続して多様な情報サービスをリアルタイムで提供するテレマティックス(Telmatics)やスマートコミュニティ分野への応用展開を可能とする道路課金システムの開発に取り組み、それぞれの都市に合致した最適なソリューションを提供していく方針だ。