2017年5月15日8:00
寺岡精工は、2017年4月26日に、プレスセミナーを開催。同社のクラウド型マルチ決済サービス「Payoss(ペイオス)」および、米国の決済端末メーカー「Verifone(ベリフォン)」と共同で開発したクラウド型マルチ決済端末「P400」について紹介した。
「Payoss(ペイオス)」および「P400」の販売を開始
売上、入金レポートを閲覧できるポータルサイトを提供
寺岡精工では、2016年1月にペイメントポータル事業部を発足。クラウド型マルチ決済サービス「Payoss(ペイオス)」および「P400」の販売をスタートして10カ月が経過した。「payoss」は、PCI DSSに準拠した寺岡精工の「寺岡ゲートウェイセンター」で支払い処理を実施。クレジットカードデータはすべて同センターで処理するため、加盟店のサーバにクレジットカード情報が保持されず、非保持化を実現できる。
「P400」は、クレジットカード、各種電子マネー、ポイントやハウスプリペイドカードの処理が一台で可能だ。また、国内で取引されている主要な決済サービスにも対応できる。たとえば、非接触決済への対応として、海外では、ISO/IEC 14443 TypeA/Bの規格に対応した取引が中心だが、日本ではFeliCaが用いられている。サービスの提供に向け、「P400」はVerifoneと日本国内にあわせたプログラミングを作り込んだ。なお、「P400」は、日本でまず発売され、その後にインド、ドイツでローンチされるように、ベリフォンにとっても日本が先行事例となっている。
また、POS連動型のマルチ決済端末で、店舗スタッフの二度打ち不要、オペレーションも簡易といった特徴がある。さらに、POS連動のマルチ決済端末により、レジ周りのスペースを有効活用できる。
精算についても、寺岡精工が複数のアクワイアラ(カード加盟店開拓会社)や電子マネーなどの一元的窓口となり、各決済手段、決済端末、POS、セキュリティ保守・運用サービスをワンストップで提供するという。
加盟店に対しては、決済手段を統合した売上、入金レポートを閲覧できるポータルサイトを提供。寺岡精工 ペイメントポータル 事業部 事業部長 杉山悟氏は、「お客様専用のウェブページをクラウドで作っており、決済、現金、商品券などの集計が可能です。現金の売上に対して、クレジットの売上がどの程度あるのかなど、POSレジを取り扱っているため、常にデータ連動ができるようにしています」と説明する。同社によると、決済に特化して売上を閲覧できる点が他社との差別化となるそうだ。
「Alipay」「WeChat Pay」「LINE Pay」への対応を予定
クラウド型のハウスプリペイドサービスを投入へ
今後の予定として、QRコードを活用した中国人向けの決済サービス「Alipay」や「WeChat Pay」、大手SNSのLINEが開始した「LINE Pay」への対応も想定している。さらに、Type A/B向けの決済についても対応を進める。
さらに、クラウド型のハウスプリペイドサービスを投入。WAONやnanaco、楽天Edy、Suicaなどの電子マネーは汎用性を売りとしているが、ハウスプリペイドサービスは個々の企業やグループの中で導入しやすい独自電子マネーとなる。導入企業は、プリペイドカードに加え、ポイントカードの発行も可能だ。また、プリペイドカードとポイントカードを連携させることで、支払い手段の強化と顧客囲い込みを強化することができるという。会員管理システムでは、会員管理を行う「Compass」、POSとECとの会員管理を一元化可能な「O2O Manager」、プライベートDMP(Data Management Platform)サービスを提供する予定だ。
セミセルフレジと絡めた導入も進む
「Payoss」導入実績、引き合いが多い業種は?
「Payoss」は現在、1,200社ほどと契約したそうだが、セミセルフレジと絡めた引き合いがあるそうだ。セミセルフレジは、商品を店員がスキャン後、自動支払機を利用した決済を顧客自身が行う。寺岡精工はセミセルフレジでトップシェアを誇り、昨年末で2,000店舗、現在は2,200あまりの店舗に対してサービスを展開しており、「今年は3,000店舗を超えてきます」と、寺岡精工 グローバルマーケティング&コミュニケーションズ 本部長 西村馨氏は説明する。「Payoss」および「P400」との連携はこれからだが、すでに大手回転寿司チェーンなどで採用が進んでいるという。
また、契約が多い業種は寺岡精工が従来から強みを持つクリーニング業界がまず挙げられる。現状、クリーニング店はクレジットカードを使用できる店舗は少ないが、クリーニングを担当する部門と連携して推進。たとえば、冬物から春物/夏物にかわる繁忙期では、従来1,000~2,000円の客単価が7,000円~8,000円に高まるという。また、ベーカリーショップなどからも引き合いがあるそうだ。