2011年10月26日8:41
大日本印刷(DNP)は、丸善・丸の内本店におけるUHF帯ICタグによる輸入カレンダーの販売や在庫管理において、ICタグシステムを提供すると発表した。
同システムは、2011年5月に丸善・丸の内本店に導入した洋書管理システムを活用したもので、カレンダーの個品管理が可能になるため、販売や在庫管理など店舗業務の効率化が図れ、顧客の問合せにも迅速に対応できるという。
DNPは、2011年8月に重なっても一括読み取り可能な10円台の低価格UHF帯ICタグを開発。コスト負担の問題を解消したことで、書店や各種小売店での導入を容易にした。
丸善でのICタグ洋書管理システム導入後の検証結果としては、洋書の棚卸し業務における1時間のデータ処理件数が、バーコードでは約500冊だったのに対し、ICタグでは約3,300冊と、約6倍の作業効率を達成した。これにより、従来のバーコード管理では年間2回実施していた棚卸し業務が、ICタグ導入後は回数を増やして実施することも可能となった。
また、書籍には返品期限があるため、これまでは店員が書籍の現品を1冊ずつ確認して返品業務を行っていたが、個品管理が可能なICタグを利用することにより、ミスなく確実に短時間で作業ができるようになった。これにより、顧客の問い合わせなどへの迅速な対応もできるようになり、接客サービスの改善と顧客満足度の向上が期待できる。
今回、丸善・丸の内本店で販売する輸入カレンダー約1万点にICタグを貼付し、販売と在庫の管理を行う。ICタグの読み取り機は、ダンボール箱などにカレンダーが収納された状態でも外側からかざすだけで複数の商品に貼られたICタグを一括して読み取れるため、個々のカレンダーに貼付されているバーコードを直接読み取って管理する方法よりも格段に作業効率が向上するという。また、季節性が強いカレンダーは、年末が近づいたり新年を迎えたりすると販売状況に応じて価格を変更することがある。その場合、仕入先との間でその時点での在庫数を確認して、価格変更のための手続きが発生する。従来は膨大な時間がかかっていたこの作業を大幅に短縮することができるという。
DNPは、書店やレンタル店などに同システムやICタグを販売し、今後3年間で約3億円の売上を見込んでいる。