2021年9月2日8:00
2014年にスタートし、現在発行枚数45万枚を数える沖縄の交通系ICカード「OKICA(オキカ)」が、モノレールやバスに加えて、タクシーや店舗でも利用可能になった。発行元の沖縄ICカードは、地元企業との連携を強化して、地域住民の生活を便利にする“県民カード”としての「OKICA」の普及を推し進めている。
記事のポイント!
①タクシーや店舗での買い物に利用可能に
②県内からは「OKICA」の導入を希望する声
③バス停周辺の商業施設などを中心に加盟店開拓、「VEGA3000」を加盟店に設置
④約100店舗チャージも可能
⑤琉球銀行の決済専用端末にも対応予定
⑥お金が県内で還流する仕組みを整える
⑦ブロックチェーン技術を活用した「MaaSデータプラットフォーム」構築
⑧地元の産官学と連携して県民必携のカードのポジションを狙う
発行枚数は45万枚を突破
カード1枚で移動も買い物もOK
2014年に稼働を開始した沖縄県の交通系ICカード「OKICA」の発行枚数は、毎年着実な伸びを示し、現在約45万枚。沖縄都市モノレール「ゆいレール」、および、県内の路線バスに加え、今年8月16日からはタクシーや店舗での買い物にも利用できるようになった。「OKICA」は沖縄県の一括交付金で立ち上がった事業であり、発行開始当初から、交通にとどまらず物販などにも利用できるようにし、“県民カード”“県民マネー”として機能させることを目標にしていた(参考)。発行元である沖縄ICカード 管理課長 小田修司氏は、「本来のゴールに向けたサービスインにようやくたどり着けたと思っています」と安堵の表情を見せる。
南城市など県内で「OKICA」導入の声
全国屈指の電子マネー浸透地域で定着目指す
同社にはもちろん勝算がある。例えば県南部に位置する南城市が、コミュニティバス、通称Nバスに「OKICA」の決済機器を搭載する意向を示すなど、県内からは「OKICA」の導入を希望する声が複数聞こえている。もともと全国的に見ても楽天Edyの普及が進んでいた電子マネー先進地域、沖縄県の住民は、学生から高齢者まで幅広い層が、持ち運びしやすくタッチひとつで決済を完了できるICカードの便利さをよく理解している。小田氏は「これからはスマホ決済だという意見もありますが、ICカードはなかなかなくならないだろうと考えています」と説明する。
仕事や学校の行き帰りに必ず使う交通系ICカードは常に取り出しやすい場所に格納されている。それが買い物にも使えるとなれば、自ずと利用頻度は上がるはず。同社では、まず、乗降客の多いバス停周辺の商業施設などを中心に加盟店の開拓を急ぎ、利用促進を図っていきたい考えだ。
琉球銀行の決済端末とも連携
県内でお金を還流させる仕組みを構築
「OKICA」のシステムは大分県に本社を置く決済ビジネスを展開しているFIGグループのモバイルクリエイトが開発。決済端末「VEGA3000」を加盟店に設置する。端末の導入や保守対応を含め、加盟店開拓は、モバイルクリエイトの出先機関である沖縄モバイルクリエイトが担っている。現在の加盟店数は約130。うち、約100の店舗では決済に加えてチャージも可能だ。決済手数料率も他の電子マネーに見劣りしない金額を提案しているという。
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