2022年10月3日8:30
ジェーシービー(JCB)は、企業のスマホアプリのUX(ユーザーエクスペリエンス)強化を支援する「デジタルバリュープラットフォーム」の提供を2023年春より順次開始する。2023年内には、JCB自身でブランド決済、国内の非接触決済、QRコード決済に対応したサービスをローンチし、同サービスを提供していく。同サービスの特徴や目指す世界について、JCBに説明してもらった。
記事のポイント!
①JCBの決済・送金・出金などの機能を一元的に提供
②プリペイド中心のモバイルウォレットサービスを導入可能
③1つのアプリで4つの決済インターフェース対応
④イシュア、ブランド、システム、業務の4つのレイヤー備える
⑤アカウントごとに複数の口座を保有できる機能を提供
⑥法令要件遵守、決済運営の代行による経営資源の本業集中
⑦API接続で、低コストかつ短期間で金融サービスを提供可能
⑧ハウスプリペイドや後払いへの対応は?
⑨TISとの共同事業として展開
⑩アプリはBaaSで実績のあるBackbaseのUX提供
⑪モバイルウォレットサービスを2023年内に提供開始
⑫後発のQRコード決済に対する考えは?
⑬幅広い業種・業態に対応
⑭具体的な収益モデルは?
決済・送金・出金などの機能を一元的に提供
1つのアプリで4つの決済に対応へ
「デジタルバリュープラットフォーム」は、バリュー残高管理や加減算機能等を基礎とした金融ウォレットサービスのプラットフォームとして、JCBが有するブランド決済サービスと送金・出金といった為替機能など、さまざまな機能を一元的に提供する。
同サービスは、JCBのプリペイド事業推進部が中心となって立ち上げており、企業は前払い(プリペイド)を中心としたモバイルウォレットサービスを導入可能だ。JCBでは、2年前からサービスを検討しており、今回のプレスリリースに至った。
埋込型金融(Embedded Finance)サービスの提供に取り組む企業は国内にも複数あるが、同社にはブランド取引となる「JCBカード決済」(非対面)、国内向けの非接触決済「QUICPay(クイックペイ)」(対面)、EMVコンタクトレスの「JCBのタッチ決済」(対面)、コード決済に対応した「Smart Code」(対面)と、さまざまな決済方式をサポートできる強みがある。
プリペイド事業推進部 幡鉾 郁哉氏は「1つのアプリで、4つの決済インターフェースを埋め込む形で提供できます。例えば、非対面のブランド決済、国内の非接触決済(QUICPay、JCBのタッチ決済)、QRコード決済をまとめて提供できるケースは(先行する埋込型金融では)ありませんでした。これにより、多くの加盟店でも使える価値体験を提供できます」と説明する。
同部 部長伊藤 隆氏は、「モバイルペイメントの提供には、イシュア、ブランド、システム、業務の4つのレイヤーが必要となりますが、弊社はすべて揃えています。パッケージで提供するケースに加え、企業のスマホアプリに対して一部を提供することも可能です」と強みを述べる。
アカウントごとに複数の口座を保有可能に
ペイロールや給与前払いチャージにも対応
同サービスでは、資金移動業、前払式支払手段、ポイントなど、アカウントごとに複数の口座を保有できる機能を順次提供していく。また、銀行口座、クレジット、ATM等の入出金チャネルを用意する。さらに、決済に加え、ユーザー同士での送金や割り勘ができるサービス等を提供する予定だ。幡鉾氏は「ペイロールや給与前払いチャージなどが話題となっていますが、法改正後に提供できるよう検討を進めています」と話す。
前払式支払手段発行事業者や資金移動業者として金融サービスを提供するには、法令が要求する業務をはじめ、人的リソースと運営ノウハウが必要だ。そのため、非金融事業者には踏み出しにくい領域となる。JCBでは、2021年6月に資金移動業者に登録するなどサービスの提供に向けて準備を重ねてきた。
APIにより企業は簡易に接続
連携するプレイヤーの特徴は?
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