2024年11月14日12:43
KDDIは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との協業の重点領域やあり方について再構築を行うこととし、協業関係を次のフェーズ(協業2.0)へと発展させることに合意したと発表した。
KDDIとMUFGは、2008年開業の「じぶん銀行」(現 auじぶん銀行)の共同設立・運営を始めとして、15年以上にわたり、実りある密接な協業を続けてきたという。その間、IT技術の飛躍的な発展などを受け、両社グループを取り巻く事業環境も目まぐるしく変化し続けています。
これに伴い、両社グループの協業シナジーを大きく発揮できる生成AI領域に協業リソースをシフトし、生成AIの開発・活用についての戦略的提携を行うとともに、KDDIが開発中の次世代リモート接客プラットフォームをMUFGのリモート接客へ活用することを検討する。また、リテール金融領域は両社グループの役割・責任を明確化する形で整理する。
両社グループがより一層柔軟な戦略や迅速な意思決定・成長投資の強化などを行うことで、それぞれの事業領域でのさらなる成長および発展、顧客や取引先への貢献を推進していく。
KDDIは、2024年4月にLLM(大規模言語モデル)の開発力を持つELYZAがグループ入りし、顧客に最適な生成AIの開発や快適なAIサービス利用を実現する大規模計算基盤の提供も予定するなど、LLMをより多くの人に提供する仕組みと体制を整備してきた。一方、MUFGは、2024年9月にはグループ企業を通じ、KDDIも出資する先端AI開発企業のSakana AIに出資を行っている。
今後の協業において、両社グループは、保有するアセット、知識・ノウハウに、ELYZA・Sakana AIのAI開発・活用技術を掛け合わせることで、金融事業の抜本的な改革を進める。まずは、MUFG社内の大量のドキュメントのほか、社員が有する金融領域の経験やノウハウも学習させた「金融特化LLM」を構築し、汎用LLMでは対応が難しい多くのシーン(一例として、「顧客対応」「社内外用ドキュメント生成」「システム開発」など)に活用することを目指す。
その後は、法律・規制データなどを含めてさらに多様なデータを学習させることで、顧客ごとにパーソナライズされたAIがアドバイザーとなって、金融専門知識の有無に拠らず、顧客に高度な金融サービスを提供できるプラットフォームなど、金融業界の変革に資するユースケースの創出も進めていく。
さらに、両社グループは、「金融特化LLM」を広く金融業界に提供することも展望している。
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