プリペイドの他店舗販売を行う大手流通企業が急拡大(インコム・ジャパン)

2012年2月7日8:00

プリペイドの他店舗販売を行う大手流通企業が急拡大
導入店舗の売り上げも2~3倍になり、2012年以降は普及期に突入

インコム・ジャパンは、セブン-イレブンや西友、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、HMVジャパンといった大手小売業にPOSA(InComm’s Fastcard point-of-sale activation)の仕組みを提供してきたが、2011年は、導入ラッシュが相次いだ。レンタル業界大手のゲオ、家電量販店のエディオン、コジマ、コンビニエンスストアのスリーエフ、ディスカウントストアのドンキホーテなどで導入が決定。カードの販売でもアップルの「iTunes Card」や任天堂の「任天堂プリペイドカード」などに加え、今冬からは、グリーの「GREEコインプリペイドカード」やアマゾンジャパンの「Amazonギフト券」が加わるなど、販売できるカードの券種も約100種類に達している。

POSAカードを購入して好きなコンテンツをプリペイドで楽しむ

大手流通店舗のもっともいいロケーションでカードを販売

「弊社は、プリペイドカードに関連した技術提供を行っており、カード発行会社、POSAカード販売店舗、消費者をつなぐ仕組みを提供していますが、2011年は、カード発行会社とカード販売店舗のWin-Winの関係を構築する上での歯車が噛み合ってきました。今後もカード発行会社、POSA販売店舗はさらに増える見込みです」(インコム・ジャパン リテール・アライアンス・ディレクター 鬼頭潤一氏)

SuicaやPASMO、Edyなどの非接触電子マネーが普及し、消費者がプリペイド(前払い)でカードを購入する利用環境は整ってきた。それに伴い、店頭に陳列したPOSAカードを購入して、好きなコンテンツを楽しむという世の中の新しい流れが認知されつつある。

大手小売業にPOSA(InComm’s Fastcard point-of-sale activation)の仕組みを提供

「販売店は従来、金券の管理に苦労する割には利益が少ないのが現状でしたが、弊社の仕組みでは、在庫のリスクがなく、棚卸などの煩雑なオペレーションから解放され、さまざまなカードを陳列して販売できるメリットがあります」(鬼頭氏)

その上、「導入した店舗では、従来の販売に比べ売り上げも2倍、3倍になっている」と鬼頭氏は自信を見せる。

カードの種類も約100に達し、「自社の業態に合わせて取捨選択できるレベルまで増えてきた」(鬼頭氏)そうだ。カード発行会社にとっても売り場の拡大とともに規模の経済を追求できる。現状、ハウスカードを展開する企業にとっては、「顧客の囲い込みや利用促進などを自社単体で行うのはハードルが多いことも事実です」と鬼頭氏は指摘する。その点、POSAカードの仕組みを利用すれば、大手コンビニエンスストア、家電量販店、GMS、ディスカウントストアなど、大手流通店舗の多くで露出される機会が増える。

「流通店舗内のラックやレジ前など、一番いいロケーションで自社の商品を宣伝してもらうことにより、発行店舗の送客につながり、また決済としても便利に利用してもらえます。これが三位一体になっているため、カード発行会社、POSAカード販売店舗、消費者のすべてがメリットを享受できます」(鬼頭氏)

ただし、他社が展開するモールではギフト・プリペイドの陳列販売を中止するなど、成功への道は決して平坦ではない。他社とインコムとの違いはいったいどこにあるのだろうか?

「まず明確に違うのは、立ち上げた後の継続的なプロモーションに対する積極的な提案です。弊社の場合2011年は年間を通して、限定デザイン、セット販売、割引キャンペーン等、約170のプロモーションを実施しました。また陳列ロケーションの工夫、POPによる訴求をはじめ如何に売上を最大化するかの取り組みを継続的に行います」(鬼頭氏)

「GREEコインプリペイドカード」をリリース

世界22万カ所の販売網でコンテンツ事業者の海外進出を支援

国内で確固たる地位を獲得したと思われるインコムだが、現状には満足していないという。鬼頭氏は、「確かに、2011年は市場を広げることに成功しましたが、まだ販売店舗は20社程度であり、日本の小売りの社数からするとほんの一握りです。また、陳列されるカードも偏りがあるため、本格的に普及するのは2012年・2013年だと考えています」と気を引き締める。最近ではほかのギフト・プリペイドカード流通事業者の新規参入もあるが、大手企業が発行するコンテンツカードはインコムなど特定の企業しか発行できないこともあり、「他社との差別化は図れる」としている。

「GREEコインプリペイドカード」(出典:インコム・ジャパンのプレスリリース)

券種に関しては、現状約100枚のラインアップのため、2012年は倍増を見込んでいる。すでに国内最大の販路を持つため、他社に依頼するよりも発行事業者にとってのメリットは大きいと同社では自信を見せる。

インコムでは、同社のPOSA技術を用いた「GREEコインプリペイドカード」を発行し、2011年12月8日から、全国のセブン-イレブン1万3,685店(2011年11月末現在)で販売を開始した。

「使い切りなど、シンプルにカードを発行したいコンテンツ事業者様は、弊社が協力できると思います。インコムは、世界22万カ所を超える販売網があり、日本のオンラインコンテンツサービスを、世界に広げることが可能です」(鬼頭氏)

海外において国際ブランド搭載プリカの発行で実績

カード会社の新たな収益の確保に協力へ

今後も日本のシステム環境に合わせたサービスを提案していきたいと同社では考える。インコムは米国の会社だが、国内企業と協力し、日本の商習慣にあったシステムを提案できることも、導入企業の拡大につながったと考えている。

インコム・ジャパン リテール・アライアンス・ディレクター 鬼頭潤一氏

「日本には日本独自の成長の仕方があります。米国とは売り場の面積やギフトの文化も違うため、日本では大規模なギフトカードモールが必ずしも最終形ではないかもしれません。日本独自の展開に即した企業と提携することも成功のためには重要です」(鬼頭氏)

最近では、国内のカード会社が国際ブランド搭載のプリペイドカードを発行するケースも増えてきた。汎用性の高いネットワーク電子マネーなどの市場も伸びており、国際ブランド搭載のプリペイドカードはカード会社の新たな収益として期待されている。

「現状、国内のカード会社はインターネットのビジネスにそれほど関与できているところはないため、国際ブランド搭載のプリペイドカードの発行により、市場を広げるチャンスがあります。弊社では米国での実績もあり、サポートをしていきたいと考えています」(鬼頭氏)

すでに米国では1兆円の取扱高があるインコムだが、日本でも相当高い目標を立てているそうだ。最近では日本のオフィスにアジアパシフィックのトップも就任し、アジア展開にも力を入れている。2012年もインコム・ジャパンの動きから目が離せなさそうだ。

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※iPhone、iPad、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。

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