2012年6月5日10:00
リックテレコムと日本イージェイケイは、2012年5月30日~6月1日の3日間、東京ビッグサイトにおいて、17回目となるワイヤレス&モバイル通信業界最大級の展示会「ワイヤレスジャパン2012」を開催した。
会場では、注目を集めるNFC(Near Field Communicatin)/FeliCa技術を利用したソリューションも展示されていた。
KDDIは、「NFC×Wi-Fi連携システム」を紹介した。NFCは、プロトコル・ハンドオーバーの技術を利用してペアリングを行い、データ通信はより高速のプロトコルに引き継ぐことが可能となっている。デモでは、NFCタグを添付したポスターにNFC対応スマートフォンをかざすと、Wi-Fiのアクセスポイントを自動検知し、動画コンテンツをWi-Fi経由でストリーミングを行っていた。Wi-Fi情報は、2メートル以内の精度で検知可能である。
ハンドオーバーの技術を利用すれば、タブレット端末、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ゲームマシン、ヘルスケア製品などのCE機器間で、コンテンツの転送が可能だ。NFCの普及により、Wi-FiやBluetoothなどとのハンドオーバーを用いるケースは増えそうだ。
世界180カ国以上の国でビジネスを行うエリクソンは、NFCの国内においてもサービスプロバイダTSM(SP-TSM)を展開する準備を進めている。同社のブースでは、NFC搭載スマートフォンをNFCタグ搭載のPOPにかざすと、クーポンを取得でき、決済時にリーダライタにかざすと割引が適用されるデモを行った。これは、2012年2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress」でNTTドコモが実施したものと同様となる。同社では、国内においても決済やCRMなどの分野でサービスの提供を行う予定だ。
エムアンドエムリサーチ Inc.は、韓国「SCS Pro」のNFC対応のオールインワン決済端末(NFCドングル)を展示した。同社の端末は、明洞や映画のMegaboxで実施した実証実験で採用され、韓国の電子マネー「T-money」が利用できる。モバイルPOS端末の「BIP-1300 Smart」は、Visaの「payWave」、MasterCardの「PayPass」認定端末となっている。また、7月以降には、payWave、PayPassやFeliCaの認証に対応した「SPAY-6000」をリリースする予定だ。
クラウズは、ビー・ユー・ジーのピットタッチ・プロを活用したICタイムレコーダー「SMART TIME CARD」を展示した。SMART TIME CARDは、IC乗車券を利用して、出退勤状況の確認、シフト管理、各種申請が行える。管理者は、出退勤情報をリアルタイムで一覧管理できる。また、交通費精算に費やす時間を削減可能となっている。