2013年5月27日8:38
香港MpayMe(エムペイミー)は、2013年5月24日、日本で開始を予定しているQRコードを活用したモバイル決済ソリューション「znap(ズナップ)」の発表会と記念パーティを東京・千代田区のホテルニューオータニで開催した。
国内展開ではビリングシステムと提携
決済だけでなくポイントやクーポンも提供
MpayMeは、2010年に香港で設立された企業で、香港に本社と研究開発拠点がある。また、ニューヨーク、ロンドン、東京、シンガポール、バンコクにオフィスを構えているそうだ。同社では、znapの提供に向け、プロセッシング業務などを展開するファーストデータ・コーポレーションと提携した。国内においては、決済コンサルティングサービスを展開するビリングシステムと提携し、サービスを展開する予定だ。
「znapは、多彩なチャンネルで決済ソリューションを迅速に提供するとともに、ポイントやクーポンなどにより付加価値をつけています。セキュリティが高く、ユーザーの使用は簡単で、ワン・トゥ・ワンマーケティングも展開可能です」(MpayMe グループCEO – チーフ・エグゼクティブ・オフィサー アレッサンドロ・ガドッティ氏)
znapは、QRコードを活用した決済アプリケーションであり、店舗での対面決済に加え、eコマース、モバイルコマース、物理的媒体、電話販売、代金引換、B2B、ギフトカードなど、さまざまなチャネルを利用して支払いが可能だ。ユーザーは、専用アプリをダウンロードし、クレジットカードや銀行口座などと紐づければ、QRコードと4桁のPIN(暗証番号)の入力だけで簡単に決済ができるという。
また、クレジットカード加盟店がznapを顧客情報管理に利用すれば、ワン・トゥ・ワン・マーケティング、ポイントサービスやクーポンの提供が可能になる。
セキュリティ面にも配慮しており、サーバとオペレーションについては、ペイメントカードの国際セキュリティ基準「PCI DSS」とISO27001に準拠している。決済処理については、256-bit SSl、公開鍵基盤、独自の暗号化の3層のセキュリティで守られるため、ユーザーは安心して利用できるそうだ。
また、ユーザーのアカウントは固有の携帯端末からのみ操作が可能であり、不正利用対策として、偽造端末を見分けることができるという。QRコードには機密情報は格納されないため、クレジットカード番号などの受け渡しは行われない。
システムに関しては、独立したソリューションとして利用に加え、加盟店のシステムに組み込むこともできるという。
6月から複数の地域で試行運用を開始
グローバルに広がるサービスを目指す
znapは、6月から複数の地域で試行運用を開始する予定だ。国内においては、金融当局などとの調整はあるが、ビリングシステムと協力し、早いタイミングでサービスを実現させたいとしている。
ビリングシステム 代表取締役 江田敏彦氏は、「携帯決済、スマホ決済といわれていますが、znap以外のものは加盟店の端末が決済端末になるスキームです。znapは自分の端末がオーソライズするための決済端末になり、非常に安全なサービスです。ニューヨークに行っても、ロンドンに行っても、上海に行ってもいろいろな買い物が全く同じサービスでできる。そういうサービスが来年には動き出す形にしたいと思いますので、期待してください」と意気込みを語った。