2014年11月26日8:00電子マネーやクレジットカードのシンクライアント決済ソリューションを提供システム投資を抑えて複数の決済手段を導入可能
セイコーソリューションズは、QUADRACと、FeliCa認証性能を持ちリアルタイム・マス・トランザクション処理に特化したサーバ「Q-CORE(キューコア)」に関する販売代理店契約を締結し、大規模から中堅規模の加盟店に対し、クレジットカードや電子マネーのシンクライアント決済ソリューションの提供を開始した。
FeliCa認証機能を標準搭載
電子マネー、EMV認証、磁気クレジット等の機能をシンクライアント化
セイコーソリューションズは、NTTデータのCAFISセンター、日本カードネットワークのCARDNETセンターの各種業務手順に対応したカード決済パッケージ「CAPS」、クレジット・電子マネー・銀聯等に対応した「CAPS P-QVIC」、カード会社の対外接続機能を集約したFEPソリューション「SEGTRAN」といったパッケージやソリューションを提供している。クレジットカードやポストペイの電子マネーについては数多くの構築実績があるが、「プリペイドカード型の電子マネーは構築が難しく、トータルコストを抑えて提供するのが困難という課題がありました。その点、Q-COREのサーバに個々の決済部分をつくり込んで提供する今回のソリューションは、お客様のニーズに合った形でサービスを展開することが可能となります」とセイコーソリューションズ 決済ソリューション統括部 PS営業部 PS営業5課 上原輝昭氏は期待する。
QUADRACの「Q-CORE」のメリットは、リアルタイム・マス・トランザクションを遅延することなく処理することができること、シンクライアント化による端末が安価に提供できること、そしてセキュリティの高さが挙げられる。
今回、セイコーソリューションズが提供を開始するシンクライアント決済ソリューションは、「Q-CORE」の採用により、電子マネーやクレジット決済処理のシンクライアント化を実現している。FeliCa認証機能を標準搭載し、Q-CORE上に電子マネー、EMV認証、磁気クレジット等の処理機能をソリューションとして実装する予定だ。端末はIC、磁気読み取りとUI(ユーザインターフェイス)機能のみとなり、すべての処理はセンター側で行われるため、端末の機能簡素化と低価格化、アプリケーションのセンター一元化が実現できるそうだ。上原氏は、「シンクライアント型なので、サービス追加やプログラム修正の際、1台1台の端末対応でなく、センター側のプログラムを置き換えることで一括対応ができるメリットがあります」と説明する。
まずはEMVの接触ICクレジット決済から導入がスタート
「CREPiCO」でもEMV の導入を進める
セイコーソリューションズ 決済ソリューション統括部 PS営業部部長 中島義久氏は、「まずはEMVの接触ICクレジット決済から導入がスタートし、電子マネーは、加盟店の案件をベースに展開する予定となっています」と話す。すでに大手加盟店数社との話が進行しているそうだ。
セイコーソリューションズが提供する決済サービス「CREPiCO(クレピコ)」でもEMV実装に向け開発を行っている。磁気・ICカードの読み取りが可能な「AT-5200」とセットで、「Q-CORE」上でEMVの認定を進めている。現在はテスト申請中で、年明けの認定取得を目指しているそうだ。
電子マネーの当面のターゲットは、比較的多くの決済処理を行い、多店舗展開している加盟店および現在リッチクライアント型の端末を利用していて、置き換えを検討している加盟店となる。また、多くの店舗が入居する商業施設への導入も見込んでいるそうだ。
「今後、大手加盟店に普及していけばコストダウンが図れますので、中規模から小規模加盟店でも導入が可能になると思います」(中島氏)
なお、QUADRACに対しては、セイコーソリューションズから7月に出資も発表されている。今回のソリューションに加え、セイコーソリューションズではQ-COREの製造を担当しており、2年前から話し合いを進めてきたそうだ。両社では今回の協業を機に、シンクライアント化によるリアルタイム決済システムの普及に努めていきたいとしている。
QUACRAC 執行役員 営業本部長 板橋達夫氏(取材当時)は、「今回のセイコーソリューションズとの資本業務提携、および産業革新機構からの大規模な資金調達により、事業拡大に向けた基盤が固まりましたので主要電子マネーのシンクライアント対応に加え、今後も代理店を積極的に拡大していきたいです。これまでシステム的な面で電子マネーを導入したくても難しかった企業などからニーズがあると見込んでいます。まずは、FeliCaに対応しますが、EMVコンタクトレスの次世代版にも影響を及ぼせたらいいと感じています」と口にする。
2015年初頭にEMV、2016年に電子マネー4ブランド対応を目指す
2015年に5億円の販売目標を掲げる
セイコーソリューションズでは、2020年の東京五輪に向け、カード決済がさらなる広がりを見せると予想しており、2015年10月のライアビリティシフト施行により、大手加盟店の接触ICクレジットカード対応は広がると考えている。また、さまざまな支払手段の登場、スマートフォン等を活用した決済アプリケーションの広がりに伴い、シンクライアント型決済サービスのニーズもさらに伸びると見ている。2015年初頭からEMVの接触ICカード対応をスタートし、「2016年初頭には電子マネー4ブランドの対応を目指したい」と中島氏は意気込む。
スーパーマーケット、家電、ドラッグストア、ショッピングモール等商業施設、決済サービス事業者、アミューズメント施設を主な販売ターゲットとし、同社では本格的にサービスを開始する2015年に5億円の販売目標を掲げている。さらに、「セイコーソリューションズでは製造会社としてさまざまなサービスを展開していますが、IoT(Internet of Things)やM2M( Machine to Machine)などへのQ-COREの活用も進めていきます」と中島氏は構想を口にした。
企業名 | 所在地 | HP | |
---|---|---|---|
セイコーソリューションズ株式会社 | 〒135-0032 東京都江東区福住2-4-3 [TEL] 03-5620-6810 [FAX] 03-5620-6802 |
||
サービス概要 | |||
セイコーソリューションズは決済インフラのスムーズな構築を実現する対外接続ソリューションをご提供しています。 CAFIS/CARDNET/GPnetの各スイッチングセンターと金融機関/加盟店を確実に結び、仕向/被仕向の決済業務をフルサポート。クレジットカードやデビットカードのほか、銀聯カードやATM接続などにも対応し、流通業、金融業、通信業、決済代行センター、公共関連企業に数多くの導入実績があります。 |