2015年5月12日0:13ICクレジットカード対応の「Squareリーダー」を日本でも提供加盟店のオペレーションは従来の端末と大きな変更なく利用可能
Square(スクエア)は、ポケットサイズのICクレジットカード対応リーダーを日本で提供すると発表した。新しい「Squareリーダー」は、イヤフォンジャックに接触ICチップを挿入し、クレジットカードのオーソリゼーション後、カードホルダーにサインをしてもらうことで決済が完了する。提供時期は未定だが、予約受付の開始日が確定次第、Webサイトなどで告知するという。なお、米国では29ドル(税抜)でICクレジットカード対応リーダーが販売されているが、国内での提供価格は未定となっている。
ICカード対応のカードリーダーとして最安値で提供へ
スワイプする代わりに接触ICカードを差し込んで認証
Squareが新たに発売する「Squareリーダー」は、磁気テープに比べて偽造が困難なICチップを読み取ることが可能だ。従来の製品同様にスマートフォンやタブレット端末のイヤフォンジャックに差して使うことが可能だ。筐体のサイズは既存の「Squareリーダー」よりもやや大きいが、デザイン性を損なわない作りとなっている。
端末の価格は未定だが、Square 日本法人代表 水野博商氏によると、加盟店の導入の障壁をなるべく少なくするため、「ICカード対応のカードリーダーとしては最安値で提供する準備を進めています」とのこと。また、決済ごとに発生する手数料は3.25%で従来同様となる(カード番号を直接入力する場合は3.75%)。
加盟店の端末やアプリの操作については、従来のオペレーションをできるだけ変えないように、なおかつ安全性を確保できるように意識している。加盟店はICクレジットカードの読み取りの場合、「スワイプする代わりにディップ(差し込んで)していただいて、決済情報を確認したうえで、承認をとってサインをいただく流れとなります」と水野氏は説明する。また、暗証番号(PIN)の入力が不要で、クレジットカードのオーソリゼーション後、カードホルダーにサインをもらうことにより取引が完了する。これまで国内の国際ブランドのルールでは、ICカードを読み取る決済端末はPINを入力してもらう必要があったが、このほど「チップ&シグネチャー(チップとサインによる認証)」が認められるようになった。
国内では、経済産業省が2014年7月にクレジットカードの完全IC化を目指すと発表。また、日本クレジット協会(JCA)でも2020年までに100%IC化を目指しているように、業界あげてICクレジットカードの推進が行われている。三井住友カード 戦略事業部長 野泉和宏氏によると、将来的にはチップ&PINへの対応をSquareと検討していくとしながらも「過渡期の対応として、チップ&サインをやっていこうと判断しています」と話す。まずは、加盟店にとって分かりやすい方式でスタートして、EMVの普及を促進する狙いがあるそうだ。
ICクレジットカードについての啓蒙活動も実施
米国では5月から本格展開し、数万の申し込みを受ける
日本での提供に先立ち、Squareでは、加盟店がICクレジットカードに対応したカードリーダーが必要だと感じてもらえるような啓蒙活動も行っていきたいとしている。その第一弾として、ICクレジットカードと新しいSquareリーダーに関するWebサイトも公開した。
国内での提供時期については、「お伝えできる段階ではない」(水野氏)としながらも、予約受付の開始日が確定次第、Webサイトなどで本格展開について告知するという。すでにSquareの既存の加盟店は10万を超えているが、すべての端末をICカード対応に切り替える方針となっている。
なお、米国では、新しい「Squareリーダー」をベータテストバージョンとして数百件の加盟店が利用している。本格展開は5月となっているが、事前受付の段階で数万単位の申し込みがあるそうだ。米国では、スワイプのみに対応したカードリーダーとICクレジットカードに対応したリーダーの双方を受け付けている。