みずほ「Smart Debit」が Apple Payに対応開始 キャッシュレスユーザーの掘り起こしを図る

2019年8月30日8:00

みずほ銀行は、iPhone アプリケーション「みずほ Wallet」で、バーチャルデビット「Smart Debit」のサービス提供を開始した。「みずほ Wallet for iOS」は、2018 年 8 月にサービスを開始した「Mizuho Suica」とあわせて、業界トップクラスの国内外 200 万台以上のスーパー、コンビニ、交通機関などで利用できるスマホ決済アプリ。アプリで銀行口座残高を確認できる機能を搭載し、キャッシュレスを敬遠しがちなユーザーの取り込みを図る。(ライター 小島清利)

みずほの公式キャラクター「あおまる」らと一緒に新サービスをPRする、みずほ銀行リテールデジタル開発部長の手嶋高史氏(左)

口座残高確認で、「浪費しそう」と悩むユーザーの背中を押す

「Smart Debit」は、「みずほ Wallet」から即時に発行でき、みずほ銀行の口座から即時(デビット払い)に、スマートフォンで買物代金を支払いできる決済サービス。電子決済サービス QUICPay+(クイックペイプラス) と JCBコンタクトレスの加盟店で利用できる。

また、みずほ JCB デビットもApple Payに対応し、Apple Payでのデビット払いに対応する。Apple PayはiPhone、Apple Watch、iPadとMacを使って、店舗だけでなくインターネットでのショッピングでも利用できる。

みずほ銀行リテールデジタル開発部長の手嶋高史氏は「キャッシュレスを使わない理由として、『管理できずに浪費しそうだから』と言う声が根強くあります。この新サービスでは、アプリ内で口座残高をリアルタイムで確認できるので、使いすぎの心配が緩和されるはずです。銀行の強みを生かしたキャッシュレスサービスと言えます」と話す。

サービスのデモ

みずほが初めてApple Payのデビットに対応

みずほのキャッシュレスへの取り組みを振り返ると、2004年にキャッシュカード一体型クレジット「みずほマイレージクラブカード」のサービスをスタート。17年には国際ブランドデビッドカード「みずほJCBデビッドカード」を提供した。

キャッシュレス決済の主戦場がスマートフォンへと移行したのに対応し、18年3月にはスマホ決済アプリ「みずほWallet for Android」、18年8月にはスマホ決済アプリ「みずほWallet for iOS」のサービスをそれぞれ開始。さらに19年3月には銀行の枠を超えたアプリ「J-Coin Pay」をスタートさせた。

「みずほWallet for iOS」のバーチャルデビット「Smart Debit」は、みずほが初めてApple Payのデビットに対応した。みずほ銀行の普通預金口座を持っている15歳以上の個人客(中学生を除く)が対象。

利用限度額は、登録した預金口座の残高の範囲内で、客の任意の金額に変更可能。国内利用・インターネットショッピングの場合(初期設定)は、1回当たり10万円、1日当たり10万円、1カ月あたり50万円。年会費・利用料とも無料(通信費を除く)。

「みずほWallet for iOS」のバーチャルデビット「Smart Debit」の詳細を説明する、みずほ銀行リテールデジタル開発部デジタルチャネルチーム次長の若宮太郎氏

ユーザー層拡大へ20%キャッシュバックキャンペーン

「みずほWallet」は、QRコード決済や個人間送金ができる「J-Coin Pay」との連携も始めた。「みずほWallet」にて、スマートフォンのNFC決済とQRコード決済に対応することで、利用客の利便性向上を図る狙いだ。

みずほ銀行リテールデジタル開発部デジタルチャネルチーム次長の若宮太郎氏は「スマホ決済は安心と使いやすさで選ぶ時代です。まずはみずほの銀行口座を持っているお客様を中心に、たくさんの方にお使いいただきたい」と話し、サービスのリリースにあわせ、みずほ Wallet は「20%キャッシュバック」のキャンペーンを実施することを明らかにした。

このキャンペーンは、「みずほWalletアプリ」をダウンロードし、「Smart Debit」を新規発行のうえ、2019年8月29日から19年12月15日までの期間中に専用ページでエントリー。クイックペイプラス加盟店で利用すると、利用金額の20%(最大1万円)がキャッシュバックされる。

また、iOS端末で「Smart Debit」を新規発行した人が、「Mizuho Suica」も新規発行し、チャージすると、チャージ金額の20%(最大1000円)がキャッシュバックされる。みずほSuicaのキャンペーン対象期間は8月29日から19年10月31日まで。

一方、ジェーシービーは、全国で端末台数92万台以上のクイックペイプラスで支払い可能なモバイルデビットサービスで、Apple Payへの対応をスタート、みずほ銀行に採用されたと発表した。

また、大日本印刷は、決済やポイントなどのサービスをスマートフォンで一元管理するクラウド型の「DNPモバイルWalletサービス」の機能を拡張し、みずほ銀行が提供するiOS用「みずほWallet」アプリケーションで「Smat Debit」の即時発行機能の提供を開始したと発表した。

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