2022年11月24日6:10
さとふるとPayPayは、 ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」にて、寄付先の自治体が指定した地域内の店舗・施設で新たな支払い方法として利用できるお礼品「PayPay商品券」を2022年11月29日より提供する。
さとふるは自治体や事業者の後方支援も提供
あと払いやPayPayクーポンなど連携深める
さとふるは、ふるさと納税制度による地域活性化を目指している。さとふるの運営とともに自治体やお礼品の事業者に発生する業務を支援する一括代行サービスを提供している。2022年10月時点で1,198自治体、11月11日時点で約3万社のお礼品事業者と契約している。ふるさと納税では、お礼品の在庫管理、サイト構築・運営、寄付金決済、お礼品配送手配、問合せ代行など多岐に渡る業務が発生するが、自治体はシティプロモーション、住民サービス、事業者は生産活動、製品力向上に注力可能だ。そのほかにも自治体の負担軽減に向けたサービスを展開している。その1つが「おまとめらくらくサービス」となり、他社のふるさと納税サイトの寄付受付後の業務をさとふるにて一括集約、代行することが可能だ。また、倉庫・物流事業では、ふるさと納税事業者で唯一、首都圏に倉庫を構えており、地方で人気のある商品を一括して集めて発送業務を代行している。各地域の特産品を流通させるためには、消費者が求めるサービス提供に向けて事業者に負担がかかる。実際にふるさと納税は指定日配送が少なく、自治体が指定日配送に合わせて対応すると、寄付者ごと指定日ごとにきめ細やかに対応する必要があり、事業者の限られたリソースで対応するのは難しい。まとまった数をさとふるが保管し、受注後に配送指定日に合わせて倉庫で伝票を発行し、出荷することで事業者の負担軽減や満足度向上につなげることが可能だ。また、まとめて都内の倉庫で管理することで、ふるさと納税のコストを負担している自治体の業務軽減にもつながるそうだ。
一方、PayPayの2021年度の決済取扱高は8兆円、決済回数55.8億回となり、再来年度には決済回数が100億回の大台に達する見込みの伸長となっている。登録ユーザーは5,200万人、2022年度の上半期約24億回の決済回数がある。
PayPayは、①リアルの店舗で決済ができる、②オンラインの店舗で決済できる、③個人間送金の体験ができる、④請求書を支払いできる、という4つを大切にしてきた。現在、自治体との取り組みとして、全国4分の3の自治体(1,432)に対して、自宅で請求書が支払える「PayPay請求書払い」サービスを提供している。また、自治体キャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」を実施しており、全国46都道府県、409の自治体で739のキャンペーンが決定している。また、さとふると連携した取り組みとして、PayPayのミニアプリ上でさとふるのサービスが使えるサービスを提供している。さらに、2022年8月からはさとふるでPayPayあと払いへの対応を開始。また、PayPayクーポンも配布しており、PayPay商品券の開始によってよりさとふるをより使いやすくなるとした。
寄付額の3割の金額が「PayPay商品券」で利用できる
年内約30自治体、8,000店舗以上で利用可能に
PayPay商品券は、自治体の飲食や宿泊施設など、自治体の地場産品の基準を満たした商品・サービスを提供するPayPay加盟店でPayPayアプリを通じて支払いに利用できる電子商品券型のお礼品となる。従来のふるさと納税の場合、体験型のサービスではふるさと納税をして、チケットが送られて使用、もしくは予約をして使用という形だったが、モノが送られてくることがなくなるサービスだ。利用者はさとふるのサイト上で利用する自治体のPayPay商品券を選択して寄付を行う。寄付完了メールのURL、さとふるアプリ「寄付履歴」などから受け取り申請し、PayPayアカウントと連携(初回1回のみ)することで、商品券を受け取ることができる。利用者が取得した「PayPay商品券」は、自治体の地場産品の基準を満たした商品やサービスを提供する地域内の店舗・施設にて、寄付から180日後までの有効期限内で利用でき、訪問した寄付先自治体での飲食、アクティビティ、宿泊施設などの決済に活用できる。利用者は、1,000円~50万円まで全15種(予定)から、寄付額の3割の金額が「PayPay商品券」として利用できる。寄附者は商品券を1円単位で利用可能だ。利用できる加盟店には、「PayPay商品券使えます」というステッカーが貼られ、MPMとCPMの双方の加盟店に対応する。
寄付者のメリットとして、さとふる 取締役 サービス企画部 部長 河田裕右氏は1度の寄付で地域内の多数の店舗・施設で利用できる点を挙げた。まずは年内約30自治体、8,000店舗以上の地域内店舗・施設で利用できるため、活用の選択肢が広い。また、その場で受け取り、体験が可能だ。例えば、PayPayユーザーであればその場で寄付・利用可能なため、寄付の手間も少なく、手軽に旅先でふるさと納税を活用できる。
現地で体験できる「コト」を提供
日光市や長門市の市長も期待
自治体にとっては、PayPayの基盤を活用しているため、導入施設は新しい開発や導入の手間やコストがかからず、負担なく地域での消費喚起につながるお礼品を導入できる。また、通常のお礼品などでかかることが多い、配送が不要だ。これにより、ふるさと納税をきっかけとした訪問者および売上の増加につながるという。従来のモノに加え、現地で体験できる「コト」を提供することで「これまで1つしかなかった選択肢を2つ提供できる」とPayPay 代表取締役社長執行役員CEO 中山 一郎氏は話す。さとふる 代表取締役社長 藤井 宏明氏も「従来提供していた旅行券、お食事券など、現地で利用できるお礼品の利便性が大きく向上する」と期待した。
栃木県日光市の粉川昭一市長によると、PayPay商品券への期待として、寄付額や日光訪問者、市内消費意欲の増加を挙げた。日光市では、観光関連のお礼品を希望する寄付が寄付額の8割を占めているというが、同地で宿泊以外に利用できるお礼品が少ないと感じていた。日光市ならではの自然や文化に触れる人が増えることで、日光市のファンを増やしていきたいとした。また、さとふるはふるさと納税の仕組みが構築されており、浸透するのも早いと考えている。
山口県長門市の江原達也市長によると、長門市には海、山などの自然に恵まれ、温泉やアクティビティ、食事なども楽しむことができるが、ふるさと納税の寄付者に長門市の良さが伝わっていない課題があったという。そのため、PayPay商品券により、長門市に訪れるきっかけになると期待している。
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