2025年4月7日14:35
2024年春、SMBCグループが手がける次世代型金融空間「Olive LOUNGE」の関西拠点が、2025年4月7日に大阪・船場に誕生した。開業を記念して行われたメディア向け内覧会では、同施設の世界観を体感できるクロストークセッションが行われ、音楽クリエイターのヒャダイン氏、カルチャープロデューサーのフルタニタカハル氏、三井住友銀行デザイナーの野田智美氏、FM802のDJ加藤真樹子氏が登壇した。(大澤 日出男)
“商人の町”船場に根ざす新しい居場所
トークは、船場という町の思い出からスタートした。ヒャダイン氏は「高校時代におしゃれに目覚めて、アメ村や南船場を怖がりながら歩いていた」と語り、「大人になった今、船場は風景も変わって、自分にとって身近な町になった」と、時を経た町との距離感の変化を振り返った。
一方、フルタニ氏は30年にわたり船場エリアで商いに関わってきた立場から、「昔はビジネスの町という印象が強かったが、近年は飲食店やマンションも増え、より生活に密着した町になっている」と分析。「生活圏として親しみのある町」だと語った。
野田氏もまた、大阪出身としての船場とのつながりを共有した。「父と叔母が本町で働いていた影響で、子どもの頃は“ビジネス街”という印象が強かったが、高校生になるとレトロな建物をめぐるのが楽しくなった」とし、町の持つ多層的な魅力を紹介した。
アートと金融が融合する“共創の場”
Olive LOUNGE 船場の空間づくりには、地元アートシーンも大きく関わっている。今回、アートディレクションを担当したフルタニ氏は、「船場センタービルの壁画プロジェクトに関わる3名の作家が、オープン記念のコースターやトートバッグを描き下ろしてくれた」と説明。施設内には他にも多くのアート作品が展示されており、「新旧がブレンドされた町にふさわしい文化的発信の場」になっている。
ヒャダイン氏も内覧を経て、「インプットがたくさんできそうな空間。蔵書のセレクトも良かった」と評価し、「コーヒーを飲みながらリラックスしつつ、新しいアイデアにつなげる場として最適」と述べた。
日常と自然につながる、新しい“金融のかたち”
クロストーク終盤には、Olive LOUNGEが描く未来についても話が及んだ。野田氏は「ビジネスマンの方が仕事の合間に休憩したり、作業したりできる。疑問が出たときにはすぐに相談できる場所になれば」と話し、「皆さんの日常のすぐそばにある場所」としての存在を目指すと語った。
また、金融というテーマに対しても、参加者たちは率直な考えを共有した。フルタニ氏は「お金の話は友人同士でもしづらい。でも、ここは“銀行っぽくない”からこそ自然に会話ができそう」とし、ヒャダイン氏も「資産運用とか相談したいと思いながら10年経った。ここなら本当に相談してみようかなと思える」と語った。
野田氏は最後に、「どんな誰が来ても、居心地が良く、訪れるたびにワクワクしていただけるような場所に、皆さんと一緒に育てていきたい」と抱負を述べ、クロストークを締めくくった。