2017年6月9日20:39
大日本印刷(DNP)は、ICカード技術を応用した情報セキュリティ機能とIoT(Internet of Things)の利便性をともに高めるオフィス機器を開発したと発表した。IoT環境にセキュリティ機能を付与するDNPのサービス『IoST(Internet of Secure Things)プラットフォーム』をオフィス機器に組み込むことで、インターネットにつながるオフィス機器をサイバー攻撃などから守る機能を高めるという。第一弾として、セキュリティゲートなどを提供するクマヒラと協業を開始する。
DNPのIoSTプラットフォームは、このセキュアICチップをIoT機器へ組み込むことで、機器とサービスの間の相互認証および通信データの暗号化、機器が取得・生成するデータの正当性の確認などを行う。同時に機器が取得・生成するデータや、機器に搭載されているソフトウエアの盗聴・窃取・改ざんを防止するそうだ。
ICカードに搭載されるICチップは、演算機能と暗号機能を有し、ICカードとそれを読み取る端末が相互認証するための暗号文の作成と照合によって、それぞれの正当性を確認し合うことが可能だ。
今回、IoSTプラットフォームを活用して開発する機器・サービスは、2017年度末から提供する予定だ。また、オフィス機器メーカーと連携して、機器認証用の暗号鍵・デジタル証明書の管理のほか、リモートでの機器の保守サービスなども提供する。DNPは、オフィス機器や社会インフラシステムなどの機器ベンダーと連携して、IoSTプラットフォームの事業を推進し、2018年までに約10万台の機器に対する導入を目指す。