2021年11月22日9:07
BEENOSは、2021年11月10日、越境ECの消費動向を振り返りランキングを発表する「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」発表会を開催した。同社によると、2021年からは本格的に越境ECが定着してきているそうだ。
2021年の消費キーワードは「世界同時 消費」
BEENOSグループでは、世界中の人々が商品を購入できるグローバルプラットフォーマーを目指している。同社の4つの事業の中軸はグローバルコマースで、世界中の商品が国境を越えた流通を目指している。また、リユースなどのバリューサイクル、日本のアーティストの収益最大化を目指すエンターテイメント事業、世界のスタートアップを中心に投資を行うインキュベーション事業を展開している。
2021年は、Netflix(ネットフリックス)で世界同時配信された「イカゲーム」のヒットなど、コンテンツはボーダレスになってきた。BEENOS 代表取締役社長 兼グループCEO 直井聖太氏は「消費も世界で同時にされるように大きく変わってきています」と話す。コロナ禍でリアルな移動制限は続いているが、DX(デジタルトランスフォーメーション)やオンラインでのグローバル化が進み、世界はより近づいたという。コマースに関しても越境ECのハードルが低くなり、「EC=グローバル」が当たり前になり、世界で同時に販売できる環境が求められてきたという。世界中に情報をリーチできるネットを使ってユーザーコミュニケーションをしている会社が成長している。商品を世界同時に販売することで、より付加価値の高い価格で販売できる。また、リユースが売れることにより、新商品が出た際に購入してもらえる循環ができるとした。
越境ECでは、2008年頃に第一次ブーム、2014年頃に第二次ブームが到来したが、2020年からは第三次ブームが到来したと昨年の説明会で紹介したが、2021年現在は越境ECが本格化していく感覚があるという。販売ルートをみてもプラットフォーマーが増加しており、販売形態も多様化している。また、自社の体力に見合った展開ができるようになってきているそうだ。
日本の「エンタメ」、「ファッション」の需要が高い
越境ECの購入サポートサービス「Buyee」については、BeeCruise 執行役員 本間哲平氏が紹介した。世界的に越境ECは成長市場だが、Buyeeの2021年第4四半期の流通総額は前年同期比51.2%増となり、過去最高を更新している。越境ECの利用意向として、アフターコロナで訪日できるようになっても越境ECを使用したい人は95%以上となっている。世界の越境EC市場規模として、2026年は2019年の6倍以上になるというデータもある。昨今はトレンドで終わるのではなく、継続して越境ECに取り組む企業が増えてきた。2021年以降は、越境ECは中国に加え、アメリカや東南アジアにも拡大するとしているが、すでにBEENOSでは、国内支援実績2,500件以上を積み重ねている。
「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」では、「北米」「東アジア」「東南アジア」「ヨーロッパ」の4つの主要エリアに分けて、Buyeeの2021年の消費傾向を発表した。2021年の人気トップ5商品は「おもちゃ、ゲーム」「ファッション」「アクセサリー、時計」「家電、AV、カメラ」、「自動車、オートバイ」となった。また、インフルエンサーやデザイナーズブランドなどの影響で、ファッションにもオタク消費的な傾向が顕著になっている。さらに、コロナ禍で価値観が見直され現金だけでないモノの価値が高まり、「トレーディングカード」、「アクセサリー・時計」の需要が上昇したそうだ。中でもトレーディングカードゲームは3.44倍の伸びとなった。顧客層としても、デジタルネイティブ層の利用者も増加している。
米国は、世界第2位のEC市場だが、Buyeeでは国別シェアトップとなる。2021年は、王道コンテンツにVtuberが割って入り、カー用品や高級時計が伸長した。東アジアは、越境ECへの抵抗感が低く、生活に浸透しているエリアだ。陶磁器などのアンティーク商品、フィルムカメラやゴルフ用品が伸長している。東南アジアは、日本ブランドへ安心感を持ち、訪日意欲も高いエリアとなる。マレーシアでの時計の消費傾向は昨年から高い。また、釣具やゴルフ用品などのホームグッズが安定して人気だ。ヨーロッパは、趣味嗜好が明確な商材が多く売れている。他地域に比べて年齢層が高く、2021年は旧型ゲーム機や楽器などが伸長した。
2021年はアニメ「呪術廻戦」が話題となった。同作は新作アニメを現地放映とほぼ同時に配信している世界最大級のアニメ配信サイト「クランチロール」で配信され、日本との時差を感じさせないタイミングで海外でもヒットし、Buyeeでの関連商品の流通も前年同期比214.55倍に急拡大した。また、日本と海外でのトレンドの垣根がなくなり、「アナログ」関連2.06倍、「チェキ」関連1.91倍とBuyeeでの流通も前年同期比で伸長したように、レトロブームは世界に広がっている。これらは、情報拡散がボーダレスになり、ヒットまでの地域ごとの時差が縮まっている。さらに、DXやSNS浸透で、世界共通トレンドが同時にヒットする傾向にあるそうだ。
拡大する74億のマーケットにチャレンジを促す
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