「J-Debit」のインフラ活用した「Bank Pay」、「au PAY」「SU-PAY」「d払い」など企業オリジナルアプリとの連携が好調

2024年6月20日8:00

日本電子決済推進機構(以下「JEPPO」)は、即時決済サービスである「J-Debit(ジェイデビット)」のインフラを活用し、2019年10月から「Bank Pay(バンクペイ)」を順次展開している。JEPPOでは、オールバンク体制を目指すとともに、加盟店に参加を呼びかけ、さらなる利用シーンの拡大を目指している。中でも、企業オリジナルアプリとの連携が好調であり、大手小売や金融サービスの黒子として活用されている。

池谷貴

「請求書払い」(ことら税公金)にも対応

J-Debitは活用シーン拡大の可能性も
キャッシュアウトは金融機関が無い地域でニーズ

――J-Debitの現在の状況について聞きたい。
JEPPO:2024年4月20日現在、922の金融機関のキャッシュカードでJ-Debitの利用が可能です。直接加盟店、情報処理センターがサポートする間接加盟店を合わせると、延べ約45万台の端末で利用できます。

J-Debitは、他の支払い手段の台頭もあり、2008年頃をピークに取引金額は減少傾向にあります。一方、新たな取り組みとして、J-Debitの仕組みを活用し、キャッシュカードを使ってハウスマネーへチャージするような事例も出てきており、まだまだ活用シーン拡大の可能性を感じております。

――銀行法施行規則改正に伴う規制緩和を受け、2018年4月2日から、日本でJ-Debit「キャッシュアウトサービス」が行われているが、現在の成果についてはいかがか。
JEPPO:キャッシュアウトが利用できる加盟店は2024年4月現在で約150箇所となります。日常使いのスーパーマーケットや、島嶼地(とうしょち)など金融機関が無い地域で、有益な現金入手の手段(ATMの代替)としてニーズがあります。

「提携アプリ」の2023年度の取扱高は前年比4倍
「Bank Payアプリ」は累計30万人を突破

――オールバンク体制を目指すとしていたBank Payの金融機関の接続数、加盟店数について聞きたい。
JEPPO:メガバンク、地方銀行、信用金庫をはじめとする379の金融機関と接続し(2024年6月3日時点)、オールバンク体制に向け順調に利用環境は拡大していると考えております。これまでエリア・都道府県単位で、未参加の主要金融機関様の対応を望む声を、利用者様や加盟店様から多くいただいておりましたが、昨年度より多くの金融機関様に参加の意思決定をしていただいたことで、地域網羅性が格段に上がってきた実感もございます。今後もより多くの金融機関様にご参加いただけるよう、機構としても全面的に情報提供・対応支援する体制を整備しております。

また、マルチバンクでのリアルタイム口振を決済インフラとして提供する「提携アプリ」については、さまざまな提携企業様に提供しており、現在も多く引き合いをいただいている状況です。取扱銘柄も46件となり、2023年度の取扱高は前年比4倍と着実に増加しています。アフターコロナでも継続的にキャッシュレス需要が高まっている証拠であり、今後も金融機関様の拡大に伴い、さらにニーズは高まると予想しております。

――Bank Payとしての市場での浸透について聞きたい。また、銀行からの引き合いや浸透は進んでいるのか。
JEPPO:「提携アプリ」は黒子の位置付けですので、一般利用者からは見えづらいサービスですが、前述の通り引き合いも増えている状況のため、提供する企業様への認知度は高まってきていることを感じます。

一方、JEPPOが直接利用者に提供しております「Bank Payアプリ」については、2022年のことら送金対応後、利用者は増え続けており、今年度中には累計30万人を突破する見込みです。

Bank Payに接続する金融機関の増加も、利用者の伸びの要因になっていると考えております。金融機関様が対応している提携アプリ銘柄を自行HPで紹介いただいたり、プロモーションツール制作やプレスリリース対応で周知いただくこともあり、金融機関からのBank Payの浸透は進んでいます。

Bank Payに接続する金融機関の増加に伴い利用者も増加

企業のオリジナルアプリとの提携が順調に進む
公共性の高い領域でも活用へ

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