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2025年6月11日8:00

 

和田 文明

連載10回目は、キャッシュレス大阪・関西万博2025の入場ゲートとキャッシュレス決済にも採用されている“顔認証システム”について日本のスマートパスポートと入国審査における顔認証を交えて紹介してみたい。

Index
(1)キャッシュレス化に影響を与えた大規模国際イベントの五輪と万博
(2)2010年の上海万博とキャッシュレス
(3)台湾と大阪万博
(4)キャッシュレス大阪・関西万博
(5)“ミャクぺ!”
(6)“ミャクポ!”とEXPO2025デジタルウォレットパーク
(7)万博の各種自販機
(8)万博IDと万博デジタル入場券
(9)マルチ電子マネーチャージ機とPOSカード決済端末機
(10)万博の顔認証システム
(11)KANSAI MaaS(Mobility as a Service)

大阪・関西万博2025の顔認証入場システムにはNECの顔認証テクノロジーが導入されており、入場管理システムとキャッシュレス決済システムにおいて本人確認の手段として採用されている。この入場管理システムは、会場入口に設置された入場ゲート(写真)に顔認証用カメラを配置されており、来場者の利便性と安全性を高めるために導入されている。認証プロセスは、入場時にチケットのQRコードをゲート(写真)にかざし、さらにゲートに設置されたカメラで顔認証を行うことにより、追加の確認が行われる仕組みである。

(写真)大阪・関西万博の入場ゲート(東口)の様子

一方、顔認証による店舗における公式電子財布(モバイル財布)“EXPO2025デジタルウォレット”の電子マネーの“ミャクペ!”決済は、通期パスや夏パスのチケット購入者に加え、入場チケットの券種に関わらず電子マネー“ミャクペ!”利用者が対象である。事前に公式電子財布(モバイル財布)“EXPO2025デジタルウォレット”の電子マネーの“ミャクペ!”顔情報と決済方法を登録することで、対象店舗で顔認証を行うだけでスマートフォンやペイメントカードを使用せずに手ぶらで決済が可能である。万博会場内には約1,000台のPOSカード決済端末が設置されており、国内最大規模の顔認証による電子マネー決済が実現されている。

今回採用されているNECの顔認証システムは、登録された顔画像などの個人情報を日本国内のプラットフォーム内に安全に保存し、利用者の同意なしに他の目的で使用することはないとされている。NECの高精度な顔認証テクノロジーは、米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストで世界第1位の評価を複数回獲得しており、高い精度と信頼性を有している。

(表)は、大阪・関西万博で導入されている顔認証について、入場管理システムとキャッシュレス決済システムを比較したものである。

(表)入場管理システムとキャッシュレス決済システムにおける顔認証の比較

項目

入場管理システム

キャッシュレス決済システム

目的

チケットの不正利用防止(なりすまし防止)とスムーズな入場管理

手ぶらでの支払いを可能にし、利便性の向上を図る

対象者

通期パス・夏パスの購入者を中心に、顔情報を事前登録した来場者

EXPO2025電子財布(モバイル財布)の利用者

テクノロジー

NECの顔認証テクノロジーを採用

NECの顔認証テクノロジーを採用

認証プロセス

・QRコードをゲートにかざす

・カメラで顔認証を実施

・事前に顔情報と決済方法を登録

・店舗で顔認証を行うだけで決済完了

セキュリティ

・顔認証による高精度な本人確認

・国内プラットフォームでのデータ管理

・生体情報を暗号化して安全に保存

・利用者の同意なしに他目的で使用しない

特徴

・会場内の入場ゲートに約50台認証用カメラを設置

・最大120万IDの登録を想定。

・約1,000台のPOSカード決済端末で運用

・国内最大規模の顔認証決済システム

利便性

・チケットの貸し借りを防止し、スムーズな入場を実現

・スマートフォンやカードが不要で、決済が可能

導入の背景

・チケットの不正利用防止と効率的な入場管理を目指す

・キャッシュレス社会の実験場として、未来のPX(決済体験)を提供

各種資料より作成

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