2015年12月28日13:48
大日本印刷(DNP)は、標的型サイバー攻撃への対策要員を養成するアカデミーを2016年3月に開設すると発表した。
DNPは、標的型サイバー攻撃から企業のネットワークおよび機密情報を守るためのセキュリティ人材を訓練し養成するシステム「TAME Range(テイムレンジ)」を2015年9月から国内で販売しているが、来春に同システムを用いて体験型実践演習(ハンズオン)によるサイバー攻撃対策要員を養成するアカデミーを開設する。
同アカデミーでは、世界トップレベルのサイバーセキュリティ技術を持つIAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)の訓練システム「TAME Range」を用いて、日々進化するサイバー攻撃への対応をハンズオンで学習することで、未知の攻撃にも対応できるスキルを修得できるという。さらに、DNPがIDC(Internet Data Center)の運営や、本人認証技術の「3-D Secure(セキュア)」の運用で培ってきたノウハウに、クレジットカード業界のセキュリティ基準「PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」を満たしてきた知見を加え、現実に起きうるさまざまな脅威に対抗するサイバーセキュリティ技術者を養成するという。
企業においては、ネットワーク管理、サーバー管理、ウィルス検知・監視など、個別に専門要員を配置しているが、昨今のサイバー攻撃は複雑化・高度化しており、各要員が連携しないと対処ができない状況だ。「TAME Range」を用いた同アカデミーでは、さまざまなサイバー攻撃に対処する演習を実施。受講者はチームを編成し、インシデント対応する際の基本から応用までを学ぶことができる。チームで対応することの有用性を認識し、チーム力の醸成と向上をもたらし、個人のスキルアップのみならずチームリーダーを養成できるそうだ。
なお、受講料は一人70万円で、5日間のプログラムを予定。今後DNPは、同アカデミーの「TAME Range」を用いたコース以外に、セキュリティ技術の基礎レベル習得を目的としたコースの提供や、顧客の受講目的に合わせたコースの新設も行う予定だ。
DNPは、あらゆる業種・業態の情報セキュリティ部門に従事する技術者が、サイバー攻撃に対処するためのスキルアップ、チームワーク向上を図ることができる同アカデミーを運営し、2020年度までの5年間で30億円の売上を目指す。