2013年7月17日8:30
オンラインプリペイドカードのさらなる普及に向けた注目ポイントは?
オンライン上のサーバでバリューを管理し、ネットワーク経由でサーバにアクセスし、金額をチャージするオンラインプリペイドカードが国内でも着実な普及を見せている。今後、国内でさらに浸透させていくための注目ポイントとはいったい何なのだろうか? ペイメントナビ編集部としてのポイントをまとめた。
①ブランドプリペイドのリアル加盟店での浸透
国内のブランドプリペイドの問題として、バッジで処理されているケースも多く、フルオンラインになっていない加盟店があることが挙げられる。そのため、国内のイシュアが発行するブランドプリペイドカードは、海外専用カードやインターネット限定のカードが現状多くなっている。
すでにクレディセゾンが、ココカラファインと提携し、国内で初めてリアル加盟店で利用できるカードを発行(参考記事)しているが、今後は他のカード会社も後に続くと思われる。当面は継続決済、高速道路といった、不正リスクの高い加盟店での利用を制限すると考えられる。また、2013年8月から「ライアビリティーシフト」(債務責任の移行)のルール変更により、仮に不正利用が起こった際のイシュアの責任が緩和される点も普及を後押しするだろう。
②デジタルコンテンツ以外のモールでの売り上げ増加
現状、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのギフトカードモールでプリペイドカードが販売されているが、その多くの売上はデジタルコンテンツ系のカードが中心となっている。例えば、あるコンビニエンスストアでは、ショッピングモール系のカードが販売されているが、最近は見かけるケースが少なくなった。
今後は、デジタルコンテンツ系のカードに加え、ショッピングモールや電子書籍、ギフトカードなどのカードが数多く販売される環境が整うことに期待したい。最近では、コンビニエンスストア各社も什器の面積を拡大するなど、プリペイドカード販売を強化する動きを見せていることから、すそ野が広がる可能性は高いと言えそうだ。
③ギフトカードの売上拡大
国内でも数多くのオンラインプリペイドカードが販売されているが、現状、数多く利用されているのはリチャージタイプのプリペイドカードとなっており、ギフトカードの売上はそれに比べ苦戦している感が否めない。
例えば、髙島屋では、「タカシマヤギフトカード」を2007年4月19日から、「百貨店ギフトカード」を2008年11月から導入しており、百貨店の中でもギフトカードについての取り組みは先行しているが、それでもタカシマヤギフトカード商品券全体のシェアは2.36%、百貨店ギフトカードの商品券全体のシェアは0.86%にとどまっている(参考記事)。
今後は、クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデー、母の日、誕生日などのイベントに数多くのギフトカードが利用されるための認知度アップが期待される。
④リチャージカードの囲い込みツールとしての新たな活用
国内でもコーヒーチェーンやスーパーマーケットなどでリチャージタイプのプリペイドカードを発行するケースが増えてきた。リチャージサービスで成功している企業のなかには、ポイントや割引サービスなどと組み合わせて運用しているところも多い。
今後の新たな取り組みとして編集部が注目するのは、プリペイドを簡単にチャージできる環境の整備、そして、モバイル対応だ。例えば、スターバックス コーヒー ジャパンでは、「My STARBUCKS」会員専用サイトから、同カードへのクレジットカードでのチャージを実施。顧客の入金の手間をなくすことで利便性を向上し、繰り返し利用してもらうことに力を入れている(参考記事)。
また、モバイル対応としては、QRコードやバーコードを活用したプリペイドカードサービスを国内のASP数社が開発している。今後は、既存のカードと併用して導入することで、アプリケーションの提供やメール配信などと合わせた展開を行い、顧客ロイヤルティを強化する加盟店が増えると思われる。