2018年4月16日8:00
Webサイトやアプリケーションにコードを組み込むことでクレジットカード、デビットカードなどによる決済サービスを提供できる仕組みである米国・Stripeは、同社最高執行責任者(COO)クレア・ジョンソン(Claire Hughes Johnson)氏の初来日に伴うプレス説明会を2018年4月12日に開催した。米国で急成長を遂げるStripeだが、クレア氏は、 Stripe ユーザーのニーズに合わせたグローバル事業運営の責任を担っているという。
トークン化機能、Apple Pay、Alipay、WeChat Pay等にも対応
Stripeでは、2014年6月にストライプジャパンを設立。2015年5月から日本において招待制のベータ版のテスト運用を行い、2016年10月4日に記者会見を開催し、三井住友カードと連携してオンライン決済サービスの国内提供を開始すると発表している。
ストライプジャパン 代表取締役 ダニエル・ヘフェルナン(Daniel Heffernan)氏によると、現在、グローバルで10万社以上の企業が同社サービスを利用している。売上は兆円規模になり、月間取引額が2年間で倍増したユーザーの割合は7割となっている。事業の拡大により、同社社員数は1,000人を超えたそうだ。
Stripeでは、サービス開始当初、130通貨に対応した多通貨決済へのサポートにより、サイトの開始当初からグローバルな展開を行うことが可能であることを1つの売りとしていた。その後、トークン化の機能に加え、Apple Pay、Alipay、WeChat Payといった手段にも対応。請求書機能、不正検知機能なども日本進出後に強化している。国内ローンチ時は、Peatix、Gengo、ANAなどからフィードバックを受け、よりよいサービスの提供に努めたが、スタートアップから大手まで、幅広い企業が利用しているそうだ。BtoCに加え、BtoC向けにもサービスを提供。例えば、AOKIでは、スーツの定期購読モデルの構築に向けストライプを導入したという。
開発者が自身でサービスを導入してアジャストできる
クレア氏は、2004年から2014年まで、前職であるGoogleにおいて、AdWordsのグローバルセールスや、Gmail、Google Checkout、Google Appsの立ち上げチームのマネジメントに携わっていたそうだ。2014年にStripeにジョインしたが、インターネットビジネスをする上で解決できていない問題を解決できる企業である点が魅力だったという。
「Stripeは素晴らしいユーザーベースを持っており、デベロッパー(開発者)が自身で導入してアジャストできます。スタートアップに加え、大手事業者もStripeの基盤上で多岐にわたりカバーすることができます。過去のeコマースはコード化されて変更しにくい形でしたが、Stripeであれば実験的にサービスを導入することもでき、どういった決済サービスを提供すれば成約率が高いかを試すことが可能です」(クレア氏)
日本市場に対する期待はきわめて高い
日本でのローンチから1年半が経過したが、「日本市場に対する期待はきわめて高いです」とクレア氏は話す。現状の決済金額などは非公表だが、「グローバル全体が伸びる中、サービス開始1年半のペースとしては満足しています。パートナーとも提携していますが、上手くいっています」とクレア氏は成果を口にする。
日本は、世界のeコマース市場で第4位となるが、デジタルペイメントがさらに成長すると考えており、潜在的な伸び率は高いとした。例えばVoyaginのようにStripeの基盤を使って日本での展開を強化する企業も増えているとした。